親子登山デビューしたい人必見!子どもと山に行くときに使えるノウハウまとめ 「子どもと登山に行きたい!」と思ったら、実際に計画を立てて出かけてみましょう。ただし、まだ心も体も発達途上の子どもと安全に登山をする場合には、年齢に合わせて気をつけることがあります。そこで、親子登山を始める際に注意するべきことをまとめました。ポイントさえ抑えれば、自然の中で一緒に過ごすことは、子どもにとって特別な思い出になりますよ。

不安がいっぱい・・・親子登山は何から準備したらいい?

「子どもと登山したいけど、経験ないし装備とか色々大変そう・・・」なんて不安を抱えている人も多いのではないでしょうか?

今回は、そんな“これから親子登山を始める人”に向けて、ファミリーハイクで注意するべきポイントを紹介していきます。ポイントさえ抑えれば、素晴らしい時間になることまちがいなし!

大切なのは「山を楽しむ」こと

初めての親子登山では、登頂などの目的にこだわりすぎず、自然を楽しむなど、山に慣れることから始めましょう。黙々と歩くのではなく、虫や鳥を観察したり川で遊んだりと子どもの思うままに過ごすことも大切。

子どもと楽しめる観光スポットや自然公園のある地域がおすすめです。「また、山に行きたい!」なんて声が聞けたらしめたもの。最初は難易度の低い山からスタートし、徐々にステップアップして行きましょう!

ステップ1|プランを立てよう

まずはプランを立てましょう。子どもの成長・発達に合わせたプランニングが重要です。
また、ひたすらゴールに向かって歩き続けるのは至難の業と心得て、プラン通りに歩くのではなく子どもが自由に行動できるような山選びが大切です。

3歳~4歳頃|幼稚園児プラン

ベビーカーを卒業し、近所の公園やお出かけは自分でしっかり歩けるようになったらハイキングデビューもOK。
ただし、この年齢は成長の差が激しいため、年齢で考えず子どもの運動能力や性格に合わせたプランを考えてください。

▼例:高尾山(東京都)

高尾山に行こう!登山コース・観光情報まとめ【保存版】
登山者数世界一の山、高尾山。都内とは思えないほど豊かな自然が広がる山です。アクセスもしやすく、海外からの観光客にも大人気。そんな高尾山...

5歳~8歳頃|小学校低学年プラン

小学校低学年になれば自主的にトイレなどに行くこともでき、目的意識も芽生え始めます。登頂の際の“達成感”を得られるような山がおすすめです。
体力がつき、元気な反面、筋力はまだ発展途上のため怪我には十分に注意しましょう。

▼例:筑波山(茨城県)

筑波山|知っていると3倍楽しめる!?登山コース・アクセス・グルメ情報
ケーブルカー・ロープウェイもあり、誰でも気軽に登れる山、筑波山。日本百名山に選ばれているだけあって、登山コースも気軽に登れるコースから...

9歳~|小学校中学年以上プラン

体格や体力に個人差はありますが、ファミリーハイク程度なら大人と同等に歩けるようになる年頃。より主体的に登山を楽しめるような計画を立てるのもいいでしょう。

▼例:双子山(長野県)

双子山|北八ヶ岳をお手軽ハイキング!池と紅葉に癒される登山コース
双子山は北八ヶ岳にある山で、気軽にハイキングできることから登山初心者やファミリー登山に人気です。周辺にいくつか池があり、その美しさは驚...

ステップ2|登山装備を考えよう

あれば絶対活躍するとわかっていても、高価な登山用品を家族全員で揃えるのは躊躇してしまうもの。特に、成長期の子どもはすぐにサイズアウトするのでなかなか購入に踏み切れませんよね。
登山のマストアイテムと言われる「登山靴」「レインウェア」「バックパック」は初心者レベルのファミリーハイクにも必要なのでしょうか?ここでは、必要なアイテムか省いてもなのか、判断の目安を紹介します。

▼登山に必要な装備の詳細はこちら

【初心者向け】登山の持ち物をまとめて紹介!忘れ物チェックリスト付
登山に必要な持ち物をまとめました。それぞれの持ち物の必要性や選ぶ時のポイントなどを解説しています。基本的な登山の服装や絶対に必要な持ち...

登山のマストアイテム①登山靴

<パパママ:必須>
子どもと登山する場合、万が一の際はパパママが頼りです。歩けなくなった子どもをおんぶして歩くなどの状況も考えられるので、せめてどちらか一方だけでも登山靴を履いて行きましょう。

<子ども:あれば◎>
しっかりと舗装されたコースであればソールのしっかりした履きなれたスニーカーでもOK。登山靴を購入した場合、靴擦れを防止するためにも必ず事前に足慣らしをしておきましょう。

登山のマストアイテム②レインウェア

<パパママ:必須>
低山であっても、濡れて体が冷えてしまうことは非常に危険です。高価なものでなくとも、しっかり雨を防げるもの用意しましょう。

<子ども:必須>
同様の理由で子ども用の雨具も必須。普段から使えるウィンドブレーカーなど、安価なものでもOKです。

登山のマストアイテム③バックパック

<パパママ:必須>
子どもの荷物を持ったりする場合も考え、日帰りハイクであれば20~30Lのものを用意しましょう。ザックには少しゆとりを持たせておくのがベター。

<子ども:あれば◎>
登山専用のものでなくてもOK。ただし、ショルダーの紐が細すぎたり、体の大きさに合っていないものはNG。未就学児なら8L程度、小学生なら12L前後を目安に選びましょう。バックパックは転んだ時のクッションとなる役割もあるので、中身はおやつや着替え程度でいいので持たせることがベターです。

子どものウェアはどうしたらいいの?

山では、ケガや虫刺されなどを防ぐために長袖長ズボンが基本。しかし、暑がりな子どもにはショートパンツにスパッツを組み合わせるのもありです。
また、綿100%素材のものは避け、スポーツウェアなどの速乾性のあるものを選びましょう。そして、必ずウィンドブレーカーなどの防寒着も必ず用意しておくこと。日常使いもできるので「登山のためだけ」と考えずに選ぶといいでしょう。
山ウェアは高価ですが、速乾性・耐久性に優れ普段から使えてとにかく便利。アンダーウェアと靴下を登山専用のものにするだけで、行動中の快適性が格段に向上しますよ。

ステップ3|現地で注意するべきこと

整備された街の公園とは違い、山にはリスクがあることも事実。安全に子どもと登山するためのポイントを紹介します。

休憩はこまめに

体調やペースを見ながら、15分に1度の割合で短い休憩をとります。疲れていなくても、こまめに休憩をとることが大切です。
その際、長い休憩をとると子どもの集中力が切れてしまうので、ランチタイム以外は5分程度がベター。子どもの様子に合わせて調整してあげましょう。

水分&エネルギー補給

休憩の際には、水分やエネルギーとなる行動食などを一緒に摂りましょう。子どもはエネルギーを貯めにくいので、飴など口にしやすいものをこまめに補給することバテを防ぎます。
水分もスポーツ飲料にすることで、脱水症の予防にも効果的です。

体温調整もこまめに

体温調節機能も発達途上なので、暑さ寒さに弱いもの。暑くなる前に一枚脱ぐ、休憩時には何か羽織るのが基本です。
もちろん、大人も同じなので、レイヤリング(重ね着)体温を調整しましょう。

危険・難しい箇所はフォロー

岩場などを通過する際は、登りでも下りでも転んだ場合に支えられるよう必ず大人がフォローしてあげましょう。子どもは必ず山側を歩かせるのが鉄則です。

こんな時どうする?子どもの困ったQ&A

山中でありがちな、子どもの「困った」。そんな時の対処法やアイデアを紹介します!

「トイレに行きたい!」

事前にトイレを促しても、タイミングがズレてしまうこともしばしば。事前にどこにトイレがあるか確認しておきましょう。携帯トイレを持参しておくと安心です。

「眠い」「歩きたくない!」

特に未就学児の場合、午後になると眠たくなることもあります。広く風などの当たらない安全な場所なら、少しお昼寝させてあげるのも◎。その場合、必ずそばにいて目を離さないように。歩けなくなった場合、おんぶなどで対処することは覚悟しておきましょう。足元が見えにくくなる抱っこはNG。

「もう飽きたー!」

飽きないように変化のあるコース選びもポイント。それでも飽きてしまう時は、目線を変えて気持ちを切り替えさせるのが効果的。双眼鏡を携帯したり、子ども用のカメラを持たせたり、沢があれば生き物を探したり、歩くことを目的とせず、自然の中で遊ぶことを意識させましょう。子どもは寄り道が大好きですよ!

親子登山でたくさんの思い出を作ろう!

安全に山で過ごすポイントさえ抑えれば、初心者でも親子登山を楽しめます。自然の中でたくさんの発見をし、のびのびと過ごす経験は、子どもにとって特別な思い出となりますよ。難しく考えずに、まずは親子で山に足を運んでみてはいかがでしょうか。

【登山時の注意点】
・登山にはしっかりとした装備と充分なトレーニングをしたうえで入山してください。足首まである登山靴、厚手の靴下、雨具上下、防寒具、ヘッドランプ、帽子、ザック、速乾性の衣類、食料、水など。
・登山路も複数あり分岐も多くあるので地図・コンパスも必携。
・もしものためにも登山届と山岳保険を忘れずに! ・紹介したコースは、登山経験や体力、天候などによって難易度が変わります。あくまでも参考とし、ご自身の体力に合わせた無理のない計画を立てて登山を楽しんでください。

© 株式会社スペースキー