その48 言葉の遅い 子供の心配

海外で子育てをしている家庭の相談で多いのが、「言葉の遅れ」です。「3歳になるのに発語がない」「単語だけでセンテンスがない」「医師にスピーチセラピーを勧められた」というもの。

子供が「最初に身に付ける言葉」は、信頼できる相手と言葉を伴うコミュニケーションを重ねることで育ちます。海外では、一日中お母さんと子供が家で2人きり、テレビをつけっぱなしという環境になりがちなので注意が必要。赤ちゃんとのコミュニケーションが少ないと、言葉、知能、情緒面の発達が遅れることがあります。両親は常に意識して言葉を掛け、歌い掛け、遊び掛け、あやしてあげることを心掛けてください。

沈黙のまま 子育てしない

生まれたばかりの赤ちゃんは、いくら話し掛けても言葉を理解するはずがありません。

だからといって、沈黙のまま過ごさせていると、赤ちゃんにとって言葉は生きるためにさして必要のないものとなってしまい、言葉に対する反応が悪い子に育ってしまいます。

その反対に、両親が子供の世話や遊びを通して言葉をたくさん掛けてあげれば、刺激となって言葉に応じやすい頭の回路が、どんどん発達していきます。

言葉に対して反応が良い子は、人とコミュニケーションをとれる社交的な性格に育っていきます。

おとなしくて、手のかからない赤ちゃんだと喜んではいけません。赤ちゃんの周囲に生きた言葉が豊かにあふれているように、両親は言葉の環境作りに細心の配慮をしてください。

愛情あふれる言葉が 子供にとって必要

赤ちゃんに話し掛ける言葉は、親が素直に気持ちを伝えられる言語で行なってください。バイリンガルに育てたいからといって英語で話し掛けても、赤ちゃんと心を通わせることはできません。

言葉の発達には「愛情あふれる触れ合い」が必要です。赤ちゃんの面倒を見ている時に、お母さんの口から自然に出てくる言葉が子供にとって「意味のある言葉」なのです。

ですから、テレビや動画など、一方通行の機械音を聞かせていても言葉は育ちません。それどころか、子供の頭が機械音に適合してしまい、人間の言葉に対してあまり反応しなくなってしまいます。

コミュニケーションを 楽しもう!

赤ちゃんが言葉を一つ一つ理解するには、親との双方向コミュニケーションが必要です。

母親と一緒に体を動かしたり、遊んだり、お互いが楽しむことで信頼感が育ち、他者と気持ちを伝え合う関係を成立させることが可能になります。

基本的な信頼感が十分に育たないと、他者に対して警戒心が強く、人間関係の構築がスムーズにできない子に育ってしまいます。また、人に何かを伝え人と関わり合う欲求が少ないため、言葉に遅れが生じるようになります。

親子の明るく楽しいコミュニケーションを心掛けていれば、言葉に対して反応が良く、人と関わることが大好きな子供に育ちます。

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