【ラグビーW杯】南アフリカ戦、県内各地でPV 4年前の奇跡信じ声援

松島選手のトライに沸く会場=戸塚区民文化センター

 本番こそ-。ラグビーワールドカップ(W杯)日本大会の開幕を控え、日本代表と南アフリカ代表の壮行試合を観戦するパブリックビューイングが県内で開催された。前回W杯で「歴史的な番狂わせ」と世界を驚かせた大金星の再現は果たせなかったが、ファンらは強豪相手に奮闘する日本選手に歓声を上げ、W杯での雪辱に期待を寄せた。

 埼玉・熊谷の試合会場から80キロ離れた横浜市の戸塚区民文化センター。日本代表とそろいの桜のジャージー姿で結束したファンら約200人が声援を送った。前半に立て続けに得点を許すたび、「あー」とため息が漏れた。後半の敵陣での攻勢には手拍子で応援。県内出身の松島幸太朗選手が待望のトライを決めると歓喜に沸いた。後半ロスタイムに日本が逆転トライを決めた4年前のような奇跡を信じ、最後まで声をからした。

 惜敗したが、「これから」「本番で頑張れ」と健闘をたたえた。W杯の13試合を会場で観戦する予定という会社員の今山哲也さん(62)=戸塚区=は「決勝の舞台、横浜で日本の勇姿が見たい」と語った。

 厚木市の小田急線本厚木駅前の複合施設「アミューあつぎ」内の映画館では約150人が観戦。日本の好プレーのたびにどよめきや拍手が起こり、徐々に一体感が高まった。

 南アの底力を見せつけられた試合に、市内に住む会社員の鈴木修司さん(55)は「少し緊張があったんじゃないか。ラグビーの今後の発展のためにも日本代表には頑張ってほしい」とエール。東京都町田市から駆けつけた主婦(59)は「W杯では今日のようなミスを気をつけないと勝てない。いい経験になったはず」と熱っぽく語った。

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