秋の風情感じ一服 北日本茶会9月例会

秋の情趣に浸りながら一服を味わった本席=富山美術倶楽部

 北日本茶会9月例会は8日、富山市舟橋南町の富山美術倶楽部で開かれた。約450人が厳しい残暑を忘れ、秋の風情を感じながら一服を味わった。

 本席は、遠州流茶道富山支部の河上宗邦さん(富山市)が席主を務めた。床に12代家元の紅心宗慶宗匠がしたためた「月白風清」を掛け、空気が澄み切った秋の夜の雰囲気を演出した。牡丹六角かごの花入れにススキやケイトウなど5種をあしらった。

 待合の床には、鈴虫の鳴き声が聞こえる庭を詠んだ其心(ごしん)庵宗明宗匠筆の扇面を掛け、本席には鈴虫の虫かごの香合をしつらえ、庭の鈴虫を捕まえてきたかのような趣向を凝らした。

 副席は、裏千家富山支部の高柳宗幸さん(同)の社中が担当。床に高浜虚子筆の軸を掛け、竹の花入れにアケビとサンシュユ、シロバナキキョウを飾った。

秋の季節感を出した席づくりでもてなした北日本茶会
来場者にしつらえを説明する席主(左)

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