朝乃山、大関栃ノ心破り連勝 秋場所2日目

朝乃山(右)が寄り切りで栃ノ心を破る=両国国技館

 大相撲秋場所は9日、東京・両国国技館で2日目の取組が行われ、富山市呉羽町出身で西前頭2枚目の朝乃山(高砂部屋)は東大関の栃ノ心(春日野部屋)を寄り切り、初日から2連勝とした。

 立ち合いですかさず右を差し、左上手を取った朝乃山は、左右に振られながらも動じず、一気に寄り切った。

 3日目の10日は西関脇の貴景勝(千賀ノ浦部屋)と対戦する。過去の対戦成績は朝乃山の1勝2敗。

■「前に前に」難敵破る

 思い切りの良さで好発進だ。8日に東京・両国国技館で始まった大相撲秋場所で、西前頭2枚目の朝乃山(25)=富山市呉羽町出身、高砂部屋=は初日から三役力士に連勝。自らの三役昇進に向け大きな白星を積み重ね、「前に前に攻めるという気持ちしかない」ときっぱり話した。

 左まわしを取る鋭さと力強い踏み込みで難敵を2日続けて料理した。初日の御嶽海(出羽海部屋)戦は立ち合いで右を固めながら左前みつをがっちりつかんだ。「ここで出るしかないと思った」と足を前に運んで相手を引かせて勝負あり。2日目の栃ノ心(春日野部屋)に対しては「ポイントだった」という左上手を素早く取り、一歩も下がることなく撃破。「休まず攻め切れた」とうなずいた。

 場所前、左脚に細菌感染症の症状が現れ、熱も出た。稽古不足から「不安と焦りしかなかった」と言うが、取組への影響はみじんも感じさせない。むしろ「前に出れば痛みはない。下がれば痛みが出る」と逆手に取って思い切りのいい相撲につなげている。

 3日目の相手は大関復帰を目指して2連勝中の貴景勝(千賀ノ浦部屋)。「引かないことを意識したい。負けてもいいので攻めていく」と朝乃山。上位陣と比べても遜色ない風格が漂ってきた。(社会部・久保智洋、東京支社・楠浩介)

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