きょうから巨人3連戦 エース今永「勝つのが最低条件」

10日の巨人戦に向けてブルペンで投げ込む今永=横須賀市夏島町の2軍施設

 4連敗中の2位ベイスターズは10日から、4ゲーム差で追う首位巨人を横浜スタジアムで迎え撃つ。敗れれば自力優勝が消滅し、巨人に優勝マジック9が再点灯。引き分けでも10がともる。3位広島ともわずか1ゲーム差だ。崖っぷちの状況で初戦に先発するエース今永は「勝つのが最低条件。3連勝しないと意味がない。皆に勢いを付けたい」と意気込んだ。

 台風15号の影響で、横須賀市夏島町の2軍施設は9日、大きな被害に見舞われた。グラウンドの外野ネットがポールに絡まって使えず、寮の一部の部屋ではベランダが損傷。周辺道路も巨木や電柱が倒れるなど大きな爪痕を残した。

 ハマが誇るエースも「人生初」という災難に襲われた。自宅を朝8時ごろ出発し、車で横須賀へ向かったが、高速道路は封鎖され、一般道路で大渋滞にはまった。「普段は30分」で到着するはずが5時間半以上かかった。「トイレも我慢した。車内でラジオを聴きながら何度か発狂した」というほど、長時間運転に苦しまされたという。

 ただ中8日での登板へ調整は万全だ。この日、室内練習場のブルペンで40球を投げ込み、「いい感じで投げられた」と汗を拭った。

 8月25日の巨人戦は山口と投げ合い、6回無失点と完璧に封じた。自身キャリアハイでリーグトップタイの13勝からさらなる上積みを目指す左腕は「連打を許さないように心掛ける。ゼロ(無失点)にこだわりたい」と頼もしい。

 残り13試合で巨人と4ゲーム差。2戦目は井納、3戦目は平良が投げる予定で、6試合ある直接対決の結果が今季の順位を決めることは間違いない。ドラマチックな逆転劇を現実のものとするため、台風が過ぎ去った横浜で、今永が先陣を切って相手打線をなぎ倒す快投を見せつける。

© 株式会社神奈川新聞社