高岡大和が撤退した高岡市御旅屋町の再開発ビル・御旅屋セリオに入居する公益施設の候補に、同市駅南にある県警高岡運転免許更新センターが挙がっていることが9日、関係者への取材で分かった。多くの来訪者を見込める一方、現在は無料駐車場を併設しており、移転で利便性の低下を招きかねないなど課題があるだけに調整の難航も予想される。
センターは2004年10月に開設された。全国の都道府県で唯一、運転免許センターが一つしかなかったため、県西部の自治体などが設置を強く要望した。県信用農業協同組合連合会高岡支所が入っていた高岡駅近くのビルを借りる形で業務を始めた。
関係者によると、高岡市は県に対し、公共施設の移転を働き掛けている。セリオの空きフロアに導入する施設として、免許更新センターが候補の一つとして浮上しているという。
ただ、主に県西部の住民が利用する施設で、移転には他の自治体の理解が不可欠。市は高岡地域地場産業センター(開発本町)もセリオに移す方針で、ビルのコンセプトに合うかどうかといった点も懸念され、地元の関係者の中には免許更新センターの入居に慎重な意見もある。
市はセリオの3~5階に公益施設を導入する予定。高橋正樹市長は子育て支援、創業・開業支援、交流スペースの3機能を持たせる構想を示しており、20年度に遊具などがある子どもの遊び場やレンタルオフィスなどを整備する方針。