F1イタリアGPで激しい競り合いを見せたサインツJr.とアルボン、接触への遺恨なし

 マクラーレンのカルロス・サインツJr.は、F1イタリアGP決勝でアレクサンダー・アルボンに“激しい競り合い”を仕掛け、軽い接触があったことについて無線で謝罪したものの、実際には単なるレーシングアクシデントだったと考えている。アルボンも、このインシデントについて不満を示してはいない。

 サインツJr.はレース1周目にはアルボンをリードしていたが、アルボンはロッジアシケインでサインツJr.のイン側に飛び込んだ。

 アルボンは一時的に優位に立ったものの、粘り強いサインツJr.は屈することなく、ふたりはレズモコーナーにサイド・バイ・サイドで進入。2台は軽く接触し、アルボンはグラベルに押し出されて順位をいくつか落とすことになった。

 一方のサインツJr.は接触について直ちに無線で謝罪したが、ホイール・トゥ・ホイールの戦いは公正なものだったと考えている。

「彼はターン4で深く切り込んできて、ブレーキングをひどく遅らせた。まるでマックス(・フェルスタッペン)やレッドブルのマシンに乗るドライバーがいつもやっているようにね」とサインツJr.は語った。

「彼のそうした走りにはかなり驚いたよ。ターン6ではイン側を走ることができた。でもターン6の中盤でリヤが少しだけ当たったんだ。彼がラインを外すのには十分な当たり方だったので、その時点で無線で謝罪した」

「でも正直なところ激しい競り合いだったし、僕はマシンのコントロールを少し失っていたから、僕にはどうしようもなかった」

 サインツJr.は27周でレースを終えることになった。マクラーレンのクルーがピット作業でミスを犯したことにより、ピットから出たところで右フロントのホイールが緩んでしまったためだ。

■「最初のオーバーテイクはうまくいったが、その後が計画どおりにいかなかった」とアルボン

 一方のアルボンは、ハースのケビン・マグヌッセンとのバトル中にロッジアのシケインをカットしたとして5秒ペナルティを科されたものの、レースを6位で終え、レッドブルで2戦連続となるポイント圏内のフィニッシュを決めた。

「少々混乱したレースだった。そういうことで、僕の動きも正当化されると思う。僕のやったことが常軌を逸していたということではない」と語るアルボンは、サインツJr.とのインシデントについて不満は感じていないという。

「僕の最初の動きはすごく良かったと思う。あの動きは本当に気に入っている」と、アルボンはシケインに入る際にサインツJr.に仕掛けた動きについて語った。

「彼はジグザグに走ったが、良い動きだった。コーナーでは彼よりもグリップがあると分かっていたから、アウト側から攻撃したんだ。うまくいくと思った」

「彼にはレズモのふたつ目のコーナーでチャンスがあると分かっていたが、それも僕の計画のようなものだった。アスカリの入口でとらえて、ふたつめのカーブに入るところで彼をラインから外そうと思っていた」

「ほんのわずかなマージンしかなく、思っていたよりも10センチほどホイールの位置が外側に膨らんでしまい、グラベルにはみ出した」

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