BTCCイギリス・ツーリングカー選手権の2017年ドライバーズチャンピオンであり、現在もチームBMRのスバル・レヴォーグGTをドライブするアシュリー・サットンが、後輪駆動NGTCツーリングカーの開発を支援すべく異例のテストに参加。ライバル陣営となるレーザー・ツールズ・レーシングのインフィニティQ50BTCCのステアリングを握った。
このV37型インフィニティQ50BTCCは、ここまで4シーズンにわたってメルセデス・ベンツAクラスを走らせてきたレーザー・ツールズが、2019年シーズンのサマーブレイク明けから投入を決断。そのベースは、2014年、2015年にBTCCシリーズに参戦したNGTC規定ワークスカーとなっている。
チームは2020年からの本格的な選手権へのチャレンジに向け、今季後半戦を「ラーニングステージ」と位置づけ、実戦を通した再開発と最新NGTC規定へのアップデートの最適化を進めている。
レーザー・ツールズのレギュラードライバーを務める22歳のエイデン・モファットは、デビュー戦となった第6戦スネッタートンの予選でポールタイムから3秒4遅れの最下位に沈むも、第7戦では1.5秒遅れの25番手と大幅に戦闘力を改善。インフィニティQ50BTCCの堅実な再デビューを担った。
それでもチームは一刻も早いセットアップの熟成を狙い、プライベートテストに異例のドライバー起用を決断し、FRのスバル・レヴォーグGTをドライブし王者に輝いているサットンに白刃の矢を立てた。
これにより、チームにはFR経験豊富なチャンピオンからフィードバックがもたらされ、インフィニティQ50BTCCのパッケージ改善がもたらされると同時に、後輪駆動経験の乏しいモファットのドライビングコーチ的な役割にも期待している。
「インフィニティには本当に感銘を受けたよ。チームが言うとおり、このクルマには確かに高い可能性があると思う」と、初ドライブのインプレッションを語ったサットン。
「レーザー・ツールズのスタッフたちは確実なターゲットになるベンチマークを求めていたし、その手助けになるべく一生懸命にドライブしたよ」
「パフォーマンスを改善するための材料はすでにマシンの中に備わっていると感じた。最新の(希望チームにシリーズ共通として用意される)TOCAエンジンも悪くない。あとはどうやってそのスピードを開放するかだけだ。彼らは間違いなく、今季の後半に進歩を遂げてくるだろうね」