【台風15号】停電続いた鎌倉で支援広がる 銭湯の無料サービスも

銭湯の無料サービスを利用する親子=鎌倉市台3丁目

 台風15号に伴い、一部地域で停電が11日夕まで続いた鎌倉市内で、行政や関係機関が対策に追われた。

 市は市役所などエアコンが稼働する施設を引き続き一般開放するとともに、経口補水液などの物資を配布。市公衆浴場業生活衛生同業組合は、停電エリアの住民を対象に、銭湯を無料で利用できるサービスを始めた。

 市は同日、市役所本庁舎など3施設を一般開放。また停電している地域を中心に、経口補水液や保存食などの物資を積んだ広報車を走らせたほか、保健師が独居高齢者や要支援者のいる自宅を巡回し、体調の変化を確認した。

 土砂崩れや倒木で停電が続いた同市二階堂にある鎌倉宮には11日、排水をろ過して再生利用するシャワー2基が設置され、朝から昼までに地域住民ら約20人が利用した。

 冷蔵庫に保管していた食材が傷んだ世帯も多く、市は停電した地域を対象に、指定有料袋に入れずに集積場に出しても回収する措置を講じる。

 市公衆浴場業生活衛生同業組合は加盟する全5施設で、銭湯の無料サービスを実施した。

 「野田の湯」(同市台3丁目)では同日夕、同市二階堂に住む西前暢子さん(46)が長男の旺亮君(5)と一緒に利用。「子どもが水風呂を嫌がるので、とてもありがたい」と喜んだ。家族で営む戸辺正子さん(78)は「お風呂でさっぱりしてもらえたらうれしい」とほほ笑んだ。

 東京電力によると、11日午後5時半、市内の停電は復旧した。

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