中国・四国・九州理数科発表大会 北陽台高が最優秀 巻き貝の研究で定説覆す

貝の研究で最優秀賞に輝いた(左から)山口さん、渡邊さん、松野さん、宮副さん=長崎北陽台高

 山口市で8月に開かれた「第21回中国・四国・九州地区理数科高校課題研究発表大会」で、本県代表の長崎北陽台高(西彼長与町)チームが、16県の代表の中で最優秀賞に選ばれた。大会は生物、物理、化学、地学、数学のいずれかの分野の課題が対象。同チームは小型の巻き貝「スガイ」について、専門家の定説を覆す生物分野の研究結果を紹介し、高く評価された。
 同チームは渡邊裕晶さん、松野大貴さん、山口敬信さん、宮副竜輔さんの3年生4人。理数科では、2年時に授業の一環で小グループに分かれて課題研究に取り組む。4人のテーマは「スガイに着生するカイゴロモの謎に迫る」。カイゴロモは貝殻に付く緑藻の一種。スガイにしか着生しないとされ、図鑑にも記載されているが、本当なのかを調査した。
 喜々津港(諫早市)で、スガイを含む4種の巻き貝について緑藻の付着した個体を探した結果、スガイと同じ巻き貝の一種「ウミニナ」で、わずかな割合ながら付着を確認。形態的な特徴やDNAを分析したり、1年を通して付着した個体を探したりして、カイゴロモがウミニナに着生することを立証した。
 長崎北陽台高のチームの最優秀賞受賞は2年ぶり2回目。渡邊さんは「途中で(研究が)うまくいくかどうか分からないときもあったけれど、よかった」と笑顔。大会では「伝えることを意識して話した」と宮副さん。
 貝の採取調査では毎月、部活動などの合間をぬって放課後や休日に取り組んだ。山口さんは「冬の調査がきつかった。しゃがんで1人300個ぐらい観察した」と苦笑。生物分野に興味があるという松野さんは「顕微鏡で観察したりフィールドで調査したりしたのは楽しく、いい経験になった」と振り返った。

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