抗菌薬供給再開へ静岡工場で投資 日医工

 日医工は12日、抗菌薬「セファゾリンナトリウム注射用」の安定供給体制を整えるため、静岡工場で設備投資をすると発表した。同抗菌薬は原薬調達先のトラブルなどが原因で今年3月から供給を停止している。同社は、今秋から年末までに再開できるとした。

 同抗菌薬は、手術での感染症予防に使われるなど医療現場に欠かせない。日医工の国内シェアは約6割あった。同社は原薬をイタリアのA社とB社から調達していた。A社製は異物混入が原因で調達をやめた。B社製は中国製原料の供給停止で調達できなくなっていたが、既に再開した。

 静岡工場では、B社製に対応した製剤工程を構築するため、15億円を投じて原薬調製設備を追加する。同社は複数の調達先の確保を進めるとしている。

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