都市伝説を生んでいるルアー
こんにちは。六畳一間の狼・SUUです。
皆さんはダイワから発売されている「TGベイト」というメタルジグはご存知でしょうか?
なんと「漁師が箱買いしている」「漁で使われている」なんて都市伝説が生まれるほど、“釣れる”と噂されているメタルジグなんです。
でも、実際のところどうなの?
ってことで、今回はTGベイトの実釣性能を徹底的に検証していきます!
TGベイトってどんなジグ?
TGベイトとは、鉛よりも比重が高いタングステン(TG)製のメタルジグです。
一般的なメタルジグの素材(鉛)と比べて1.7倍の比重があるため、同サイズならより重く、同重量ならより小さいのが特徴です。
遠投性能が高いと言われている
鉛と同じ重量ならタングステンの方がコンパクトに作れます。
そのため、キャスト時の空気抵抗が鉛よりも抑えられ、飛距離が出るというのが一般に知られている理屈。
そ・こ・で!
飛距離を計測してみよう
︎TGベイト(写真上・タングステン製)とサムライジグ(写真下・硬質鉛製)。同じ30グラムでもそのサイズの違いは歴然です。この2つのジグで飛距離を比較してみることに。
用意したジグはTGベイトとサムライジグ。どちらも同じく30グラムです。
状況は向かい風5メートルほど。
11フィートのロッドにPEライン1.2号でキャストしました。
サムライジグ(ダイワ)
ダイワの定番メタルジグであるサムライジグ。
その実釣性能はショア&オフショア問わず高く、ファンも多いルアーです。
結果は……
77.1メートル!
センターバランスでアクション重視のサムライジグ。
向かい風という状況を考慮すれば、なかなか上々な数値ではないでしょうか。
TGベイト(ダイワ)
お次は今回の検証の要、TGベイト。
サムライジグと比べて明らかに一回り以上コンパクトなボディです。
結果は……
うおぉぉお〜!!!
82.8メートル。
同じ重量にもかかわらず、サムライジグを上回る数値を叩き出しました。
検証結果:TGベイトは飛びます!
やはりタングステン製のTGベイトは鉛製のメタルジグと比べて飛距離が出るという結果が出ました。
このジグの遠投性能が高いというのは紛れもない事実です!
でも、あくまで参考程度に
検証は向かい風5メートルという状況の中でおこなったため、どのルアーも100パーセントの性能を引き出すことはできていません。
風の状況やアングラー、タックルによっても結果は大きく変わるので、今回の結果はあくまで参考程度にお考え下さいね。
ちなみに『45グラム』はさらに飛んだ!
TGベイトの45グラムもキャストしてみたところ、向かい風なんてものともせずスパーンと飛んでいきました。
結果はなんと、96.2メートル!
もし風の影響がない状況だったら、とんでもない飛距離を叩き出していたはずです。
飛距離一覧
- サムライジグ(30g),77.1
- TGベイト(30g),82.8
- TGベイト(45g),96.2
※単位全てm(メートル)
>>Next Page:実釣でその釣れっぷりを検証!
釣れなきゃ意味ない!実釣で検証
飛距離が出ることはわかりましたが、いくら飛んだからって魚が釣れなきゃ意味がありません。
ということで、TGベイト縛りでショアジギングに挑戦してきました。
幸先よく朝一にヒットしたのはサバ!
TGベイトを底まで落とし、深い所を探ったらくってきたようです。
太陽が昇り気温が上がってきたタイミングで、45グラムのブルピンにヒットしたのはソウダガツオ!
夏のサーフと言ったらこのシイラですよね!
TGベイトの表層引きにガッツリ食ってきました。
SUUもシイラをキャッチ!
沖の潮目沿いに回遊しているようで、遠投しないと釣れない状況でした。
沖の潮目で明らかにメーターオーバーのシイラがヒット!
……しましたが、ジャンプとヘッドシェイクで無念のフックアウト。
自分のやらかし具合にヘコんでます(笑)
特大のバラシをやらかしたSUUとは裏腹に、しっかりと魚をキャッチするハヤマ氏。
シイラを次々にヒットさせていました!
TGベイトのここがすごい
︎サーフに打ちよせられるベイト「カタクチイワシ」とマッチ・ザ・ベイトのサイズ感。
TGベイト縛りで釣りをしたことで、このジグの特徴や優れているところなど色々と感じることができました。
飛距離が出しやすいこと以外に、どんなところが優れているのか皆さんにご紹介します。
抜群の飛距離
ショアジギングにおいて遠投性能は釣果に直結する部分です。
遠投ができるだけで、魚との出会いの確率は格段にアップするし、実際に飛距離が出ないと釣れない状況にも何度も遭遇しました。
「飛距離は正義だ」なんて言われるほど、ショアジギングにおいては釣果に大きく関係する性能です。
フォール(沈み)が速い
コンパクトで抵抗が少ないため、フォールがとてつもなく速いです。
狙いのタナまですぐに到達するので、釣りの効率が上がったり、潮が速くて流されやすい状況でもしっかりと沈んでくれます。
動きの“キレ”が抜群
コンパクトなフォルムにセンターバランスが相まって、ジャークでの動きがキレッキレです!
まるで小さなベイトが逃げ惑うようなパニックアクションを演出することができます。
小さなベイトに合わせられる
ショアジギングでは「小さいジグしか食わないのに、小さいジグじゃ軽くてポイントまで届かない!」なんていう歯がゆい状況がよくあります。
そういった状況ではTGベイトの独壇場!
小さいフォルムで遠くまで飛ばすことができるので、TGベイトじゃなきゃ釣れないなんて状況もあるはずです。
TGベイトの気になるところ
いい所が多いTGベイトですが、もちろんいい所ばかりではありません。
ルアーを使いこなすには、良いところも悪いところも理解して使ってあげることが大切です。
フォールの釣りには不向きかも
TGベイトはフォールが速いため、ゆっくりしたフォールに反応がいい状況は得意ではありません。
ジャカジャカ巻きからの急なフォールなどのコンビネーションは有効ですが、フォールをメインとした釣りでは他のジグに軍配が上がるでしょう。
塗装がもう少し強ければ
TGベイトはぶつけたりして塗装が剥がれ始めると、そこからベリベリと剥がれていってしまいます。
使う際はできる限りぶつけないように注意しましょう。
TGベイトの出しどころ
具体的にTGベイトの出しどころとはどういった時なのか。
ぼくが考えるTGベイトの良さを活かせる状況をご紹介します。
青物狙い=○ 根魚狙い=△
TGベイトは圧倒的に青物狙いに向いているジグです。
特に早い動きに反応のいいときがTGベイトの出番でしょう。
根魚狙いなどフォールがメインの釣りでは沈むのが速すぎるため、そこは他のジグに任せた方がいいかもしれませんね。
ベイトが小さいとき
上でも解説していますが、やはりベイトが小さい状況がTGベイトの良さを活かすことができる時です。
静岡県中部では9月以降ベイトが極端に小さくなり、鉛製の30~40グラムのジグでは釣れない状況が多くなります。
ベイトが小さいときほどTGベイトの真価が発揮されますよ!
サーチベイトとして
TGベイトは釣り場についてまず初めに投げる“サーチベイト”として非常に優秀。
大遠投ができてフォールが速いので、その日の魚の位置やヒットする距離などの情報をいち早く集めることが可能です。
>>Next Page:TGベイトのフックセッティング
TGベイトおすすめセッティング
TGベイトはフックが付いていない状態で販売されているので、セッティングに迷ってしまう方も多いはず。
今回ぼくが使ったセッティングとおすすめのセッティングをご紹介します!
SUUのセッティング
今回はシイラが釣れていたので、フロントにダブルアシストフックを付け、リアにトリプルフックを装着していました。
メーターオーバーのシイラまで視野に入れていたので、アシストフックは太めでトリプルは大きめの#4番を装着しています。
通常は小型青物用のアシストにトリプルフックは#7~6番でOKです。
リアフック装着がおすすめ
リアフックは必ず付けるのがおすすめです!
リアフックを付けたほうが動きが少し抑制されて暴れにくくなり、食わせのアクションを出すことができると感じました。
ただし、リアフックを付けるとフックがリーダーを拾う「エビり」が頻発するので、アクションはテンションを抜かない「ジャカジャカ巻き」がおすすめです。
ボックスに必ず入れておきたいルアー
TGベイトのように“何か”に特化した性能を持つルアーは、必ず強力な武器になります。
いつも安定した釣果が出るわけではないかもしれませんが、ハマる状況に当たれば自分だけいい思いができちゃうかも。
ボックスに必ず入れておくことをおすすめします!
動画もよろしくです!
じつは今回の検証は、記事と動画の連動企画。内容はツリハックさんの指令を達成するというもの。
TSURI HACKスタッフからの無茶ぶりを達成するべく、ぼくらふたりが奮闘しています(笑)ぜひご覧ください!
前編
後編
この記事を書いた人
SUU(六畳一間の狼)
YouTubeで釣りチャンネル「六畳一間の狼」(SUUとハヤマの二人組)として、釣り動画を配信するユーチューバー。バカが付くほどの釣り好きが高じて、釣具店に就職。その時の知識と経験を活かし、釣りの楽しみを世の中に広めるために日々奮闘中。TSURI HACKでは、SUUがスペシャルアンバサダーとして記事を執筆してます。