2020年からMoto3に参戦するレッドブル・KTM・テック3が佐々木歩夢の起用を発表

 9月12日、2020年からロードレース世界選手権のMoto3クラスに参戦するレッドブル・KTM・テック3は、18歳の日本人ライダー、佐々木歩夢を来季起用することを発表した。

 2019年限りでMoto2クラスを撤退し、来季はレッドブルとKTMの支援を受けMotoGPクラスとMoto3クラスに注力することを8月に明らかにしたテック3。2020年のMoto3ライダーラインアップのひとりに佐々木を指名した。

 佐々木は2015年にアジア・タレント・カップを制し、2016年にレッドブル・ルーキーズ・カップで日本人初のチャンピオンを獲得したライダー。2017年シーズンからはロードレース世界選手権のMoto3クラスでフル参戦し、ルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得した。

 Moto3クラス3年目となる2019年は、ペトロナス・スプリンタ・レーシングから参戦し、第12戦終了時点で4度のシングルフィニッシュを決め、自己ベストは第2戦アルゼンチンGPの5位。第9戦ドイツGPではポールポジションを獲得しランキング17位につけている。

 Moto3クラスではこれまでホンダのマシンを使用していたが、来季からはKTMのマシンを駆ることになる。

 佐々木は「エルベ・ポンシャラルのいるレッドブルKTMファミリーに加わることを本当に嬉しく思います。このようなチームに入ることを常に夢見ていたので、2020年についてとても興奮しています」と来季の意気込みを語った。

「今年はあと7レースあるので、素晴らしいチームとの来シーズンのチャレンジに向けていい準備ができるように、できる限り学習することに集中します。2020年を楽しみにしていますし、スタートが待ちきれません。関わってくれた全ての人々、特にエルベ・ポンシャラルやKTMとレッドブルのすべての人々には感謝しきれません」

佐々木歩夢(ペトロナス・スプリンタ・レーシング)

 テック3のチームマネージャーであるエルベ・ポンシャラルは「新しいMoto3のチームに佐々木歩夢を迎えるができ光栄だ。30年以上グランプリに関わっているが、テック3にとってはMoto3クラスでレースをすることはこれが初めてだから、マニュファクチャラーにとってもエキサイティングなプロジェクトであり、適切なライダーを起用することも重要だ」と佐々木ついてコメント。

「誰がライダーにふさわしく、私を信じてくれるか考えた時に、一番最初に頭に浮かんだのが佐々木歩夢だった」

「レッドブル・ルーキーズ・カップの頃から彼を見ているが、ライディングスタイルとレースのアプローチ、そして彼の振る舞いも気に入っている。彼はカリスマ性を持つ若者で、2020年はエキサイティングなシーズンを迎えることを確信しているし、KTMを気に入ってくれるとも思っている」

「それに加えて、これが素晴らしい旅の始まりになると確信しているし、佐々木歩夢と私と、チーム全体の素晴らしい友情が何よりも重要だ」

「若井伸之、中野真矢、坂田和人といった多くの日本人ライダーと仕事をしたことに触れないわけにはいかない。彼らと仕事をしたのは素晴らしい思い出だ。佐々木歩夢には素晴らしい将来があると私は確信しているので、MotoGPパドックにおける佐々木歩夢の成長を手助けできることを願っている」

 また、チームは佐々木のチームメイトとなるふたり目のライダーを近日中に発表する予定だという。

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