【MLB】イチロー氏から英語スピーチで「泣くなよ」 菊池雄星は苦笑「油断してました」

「フランチャイズ・アチーブメント賞」の授賞式に登場したイチロー氏(中央)と見守る菊池雄星【写真:AP】

イチロー氏が英語でスピーチ、冒頭に「今夜は泣くなよ」と言われ…

 マリナーズは14日(日本時間15日)、球団に貢献し、大きな功績を残した人物に贈られる「フランチャイズ・アチーブメント賞」の授賞式を行い、会長付き特別補佐兼インストラクターを務めるイチロー氏が表彰された。イチロー氏は約5分間のスピーチを行い、冒頭では菊池雄星投手に「今夜は泣くなよ」とジョークを飛ばす場面も。ルーキー左腕は試合後に「冷や汗かきました」と笑顔で振り返った。

 イチロー氏は、殿堂入りしている元同僚のエドガー・マルティネス氏、ケン・グリフィー・ジュニア氏、そしてマリナーズの現役選手が見守る中でスピーチ。球団やファン、同僚への感謝の思いを明かしたが、冒頭では「とても緊張しています」と明かしてから「ディー(ゴードン)、雄星(菊池)、今夜は泣くなよ」と一言。チーム関係者の笑いを誘った。

 ディー・ゴードン内野手と菊池は、イチロー氏の現役最終戦となった3月21日の東京ドームでのアスレチックス戦で印象的な場面を“演出”していた。交代を告げられ、“定位置”のライトから戻ってきたイチロー氏を選手たちはダグアウトの前で出迎えたが、師弟関係にあるゴードンはハグを交わした後に涙。菊池もハグを交わしながらこらえきれずに号泣し、イチロー氏が引退会見で「いや、号泣中の号泣でしょ、あいつ。びっくりしましたよ。それ見て、こっちはちょっと笑けましたけどね」と振り返っていた。

 そして、この日は冒頭でゴードンと共に“イジられる”形となった菊池。試合後には「油断してましたけど……冷や汗かきましたね。何も準備してなかったので、背筋が伸びました」と笑顔で話した。

「いつの日かシアトルの皆さんに僕も受け入れてもらえるように」

 もちろん、この日のセレモニーではイチロー氏の偉大さをあらためて実感した。

「一緒にプレーさせてもらって幸せな時間だったなと振り返る部分もありましたし、僕らがこうやってプレーできているのもイチローさんをはじめたくさんの先輩方が道を切り拓いてくださったからだなというふうに思いましたし、いつの日かシアトルの皆さんに僕も受け入れてもらえるような、そういう成績を残したいなとは思いました」

「もちろん1年間プレーして、ここで結果を出す、そしてそれを何年も続ける難しさというのはこっちに来ないと本当の意味で分からないことでしたし、イチローさんの取り組みだったりとか考え方を、毎日話を聞かせていただく中で本当に凄さというのを毎日勉強させてもらっているところです」

 1年目の今季は30試合登板で6勝10敗、防御率5.46と思うような結果を残せていない菊池だが、確実に大きな財産となっている。(木崎英夫 / Hideo Kizaki)

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