インドネシア料理に「エナック!」 技能実習生と交流

インドネシアの実習生からチョベの使い方を教わる子ども=雲仙市、南串山保健福祉センター

 インドネシアからの漁業技能実習生を受け入れている長崎県雲仙市南串山町で14日、実習生が講師を務める料理教室があり、市民ら約20人がインドネシアの家庭料理を通じて交流を深めた。
 実習生の受け入れ漁業者らでつくる雲仙市インドネシア料理研究会(竹下千代太代表)と市教委が協力して実施。同会は昨年から料理交流に取り組み、実習生が講師をするのは初めて。同町では約20年前からインドネシアの実習生を受け入れており、毎年約10人が来日。現在、20歳前後の14人が巻き網漁船などで実習している。
 料理教室では焼きそば、揚げ魚、揚げバナナの3品に挑戦。実習生14人が、香辛料をすりつぶすインドネシアの石臼「チョベ」の使い方などを教えた。火加減や分量は「キラキラ(だいたい)で大丈夫」などと、インドネシア語を交えながら調理。同市千々石町の小学1年、田中天馬君(6)は「チョベは難しかったけど、お兄ちゃんたちが優しく教えてくれた」と笑顔を見せた。
 今回は、身近な材料で作ることもテーマの一つ。小松菜やちゃんぽん麺など日本で手に入るものばかりでそろえた。完成した料理を全員で味わい、実習生のフェリ・アイシン・クリストファーさん(21)は「味も見た目もキラキラ一緒。エナック(おいしい)」と太鼓判。千々石町の冨永由美さん(65)は「初めて食べる味だけど、ピリっとしておいしい。みんな日本語が上手で一緒にいて楽しかった」。国境を越えた料理交流を、笑い声と香辛料の香りが包んだ。

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