カターレ快勝、岩手に5-0 暫定5位に浮上

富山-盛岡 前半、富山のFW大谷がゴールを決める=県総合運動公園陸上競技場

 明治安田J3第23節は15日、8試合を行い、カターレ富山(6位)は県総合運動公園陸上競技場でいわてグルージャ盛岡(16位)に5-0で快勝し、今季初の3連勝を挙げた。5得点はJリーグに昇格した2009年以降で最多得点。通算9勝8分け6敗で勝ち点35とし、5位に浮上した。

 積極果敢な攻撃で大量得点した。富山は前線への鋭い縦パスを多用して決定機を量産。前半13分、MF花井が左CKを直接入れて先制すると、同25分にはFW大谷が追加点を挙げた。

 球際の強さもたびたび発揮。ボールを奪うと速攻に転じ、2次、3次攻撃を繰り出し敵ゴールを脅かした。後半10~18分にはDF柳下、MF佐々木陽、大谷が立て続けに追加点を奪った。守備でも集中を保ち、2試合連続の無失点で勝ち切った。

 次節は、29日午後2時から同競技場で、ガイナーレ鳥取と戦う。

■裏を突く戦術的中  「個々の自信」がみなぎった富山は、Jリーグ昇格後最多となる5得点で3連勝を飾った。ゴールラッシュで決定力不足という呪縛をほどき、安達亮監督は「内容に結果がしっかりついてきた」と喜んだ。

 富山は序盤から効果的な長いパスを前線に供給し、ディフェンスラインを上げて構える相手の裏を突いた。この戦術が次々とはまり、何度も敵陣深くに攻め込む狙い通りの展開に。「裏に飛び出し、ラインを下げるのが自分の役割」という大谷は持ち前のスピードを武器に2得点の活躍を見せ、「連係がうまくいった」と笑顔で汗を拭った。

 選手それぞれが抜群の存在感を放って、大量得点で相手をねじ伏せた。GK榎本は「これまでなかった個々の自信が出てきて、攻撃の手数が増えてきた」と手応えを口にし、3点目を挙げた柳下は「自信の持てる内容。やっと自分たちの信じてきたサッカーができた」と振り返った。

 先制ゴールの花井は今季初得点。「吹っ切れた」と晴れやかな表情を浮かべ、「慢心せずに、このサッカーを終盤戦も続けていく」と言葉に力を込めた。イレブンの前に上位浮上への道が開き始めた。(社会部・松澤拓也)

富山 5 - 0 岩手 2 (前半) 0 3 (後半) 0

▽得点 【富】13分 花井    25分 大谷    55分 柳下    61分 佐々木    63分 大谷

▽交代 【岩】59分 鈴木→廣田    65分 宮市→嫁阪    69分 石井→大垣 【富】60分 花井→碓井    67分 白石→苔口    77分 稲葉→安永

▽警告 【岩】72分 大垣    87分 菅本 【富】90分 榎本

▽シュート 【富】22【岩】8

▽観衆 2455人

【富山】 GK 1 榎本 哲也 DF 3 代 健司 DF 5 今瀬 淳也 DF 19 柳下 大樹 MF 7 佐々木 陽次 MF 14 白石 智之 MF 17 稲葉 修土 MF 20 花井 聖 MF 24 前嶋 洋太 FW 27 大谷 駿斗 FW 37 平松 宗 控えメンバー GK 21 太田 岳志 DF 28 谷奥 健四郎 MF 30 安永 玲央 MF 6 碓井 鉄平 FW 11 才藤 龍治 FW 8 高橋 駿太 FW 9 苔口 卓也

【岩手】 GK 1 土井 康平 DF 24 鈴木 達也 DF 2 木下 高彰 DF 3 福田 友也 DF 8 菅本 岳 MF 11 薮内 健人 MF 20 江頭 一輝 MF 5 石井 圭太 MF 7 麦倉 捺木 FW 10 谷口 海斗 FW 18 宮市 剛 控えメンバー GK 21 射庭 康太朗 MF 14 嫁阪 翔太 MF 17 廣田 隆治 FW 13 梅内 和磨 FW 28 大垣 勇樹

富山-盛岡 前半13分、富山のMF花井のCKはダイレクトにゴールに入り先制点となった
富山-盛岡 前半13分、CKで先制ゴールを決め喜ぶ富山のMF花井(中央)
富山-盛岡 後半18分、この試合2点目のゴールを決め仲間と喜ぶ富山のFW大谷(右から2人目)=県総合運動公園陸上競技場
富山-盛岡 後半、ヘディングでゴールを狙う富山のMF佐々木
富山-盛岡 後半、シュートを放つ富山のDF柳下(左)
サポーターとともに勝利を喜ぶ富山イレブン

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