組織的犯行の認定が焦点 元富山市議3人きょう判決

 富山市議会の政務活動費不正で、領収書を偽造して政活費をだまし取ったとして詐欺罪で在宅起訴された元市議の中川勇(72)、谷口寿一(56)、市田龍一(64)の3被告の判決公判は17日、富山地裁で開かれる。領収書の偽造などの手口を会派内で共有する組織的な犯行だったと裁判所が認定するかどうかが焦点となりそうだ。

 富山市議会の政活費不正を巡る刑事裁判の判決が出るのは初めて。

 7月19日の初公判で3人は起訴内容を認め、即日結審した。検察側は「実在する会社名義の領収書を準備するなど、周到かつ巧妙で悪質な犯行」と指摘し、懲役1年6月を求刑。弁護側は、いずれも議員を辞職し、社会的制裁を受けているとして執行猶予を求めた。

 被告人質問では、手口について「会派の先輩に教わった」という答えがあったほか、不正に使われた白紙領収書を会派内で融通していたとの証言も出た。

 起訴状によると、3人は2012年4月から16年4月にかけて虚偽の領収書を作成し、中川被告が約521万円、谷口被告が約468万円、市田被告が約510万円の政活費をそれぞれだまし取ったとされる。

 政活費不正で詐欺罪で起訴され、3人と同じように起訴内容を認めた矢後肇元県議会副議長は、昨年5月に執行猶予付き有罪判決を受けた。

 富山市議会では3人のほか、現職の村上和久被告(58)も詐欺罪で在宅起訴され、公判で起訴内容を否認している。

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