死の海の原因はこれだ!青潮や赤潮ができる原因と仕組みを解説 死の海と呼ばれる青潮や赤潮。釣り人の大敵と言える海の現象の一つではないでしょうか。しかし、私たち人間がその現象を起こしている原因のひとつかもしれません……。今回は、青潮・赤潮の発生原因や仕組み、釣りに出かける前にしておきたいことをまとめました。

“死の”と呼ばれる現象……。

突然ですが、海に「死の海域」と呼ばれるエリアが存在することをご存知でしょうか。

死の海域とは、海中の酸素が著しく低下した海域のこと。

殆どの生き物は、その低酸素の海域から逃れていきますが、逃れられなかった魚介類は弱って死んでしまいます。

この死の海域と呼べる現象を、日本では青潮赤潮と呼んでいます。

青潮・赤潮の発生が釣果に悪影響を及ぼす?

青潮や赤潮が発生したエリアでは、酸欠状態の魚が多くなると考えられます。

釣りに悪影響となるのはもちろんのこと、漁業にも甚大な被害を及ぼす恐れがあるのです。

次項:青潮・赤潮とは?発生の原因に迫ります!

プランクトンの増殖が鍵!

青潮・赤潮のどちらにも関わってくるのが、多くの海の生き物のエサとなるプランクトンです。プランクトンが異常な増殖を起こし、青潮や赤潮を発生させます

「魚のエサが増えるなら、良いのでは?」と考える人もいるかもしれません。しかし、じつはそうではないのです……。

プランクトンの増殖による赤潮

赤潮とは、海洋性プランクトンが異常に増殖した状態を言います。

海が赤く染まっている部分は、普段は視認しづらいプランクトンが大量に発生し、可視化した状態です。

問題は、大量発生したプランクトンが魚のエラに詰まってしまうこと。魚は呼吸ができなくなり、窒息状態に陥って死んでしまいます。

増殖したプランクトンの死による青潮

増殖したプランクトンが死んで海の底に沈殿すると、死骸が分解される時に海の酸素が大量に消費されます

すると、海の底に酸素の少ない海水ができ、酸素を嫌う細菌が元気になります。その細菌の作用によって、硫化水素が発生します。

青潮とは、底に溜まった酸素の少ない海水が表層に上昇し、そこに含まれていた硫化水素が酸化されて白濁した状態なのです。

海一帯が低酸素状態となることで魚介類は酸素不足となり、死んでしまいます。

何故、プランクトンが異常増殖する?

そもそも、プランクトンが異常増殖してしまう理由のひとつに、私たち人間による生活排水や農業廃水、工場排水が挙げられます。

排水には窒素化合物リンが多く含まれており、これがプランクトンの栄養源となってしまうのです。

循環する大自然の一員である私たちの行いは、必ず自分達に返ってくるように出来ているのかもしれません……。

次項:釣りに出かける前に海の情報をチェック!

釣りに出かける前に

釣りに出かける前に、青潮や赤潮の発生がないか、釣り場となる海域の情報を入手しましょう。

ニュースをチェック!

青潮や赤潮が発生するとニュースになることが多いため、まずはウェブニュースの検索窓に「青潮」や「赤潮」と入力して、青潮・赤潮の発生がニュースになっていないか調べてみましょう。

漁業組合などのホームページを確認

漁業組合や各自治体のホームページなどで、青潮や赤潮の発生を確認できる場合があります。

また、九州海域の情報のデータベースを閲覧できるサイトもあるので、活用してみてください。

赤潮ネット

ウェブカメラを使う

大雑把な範囲になってしまうかもしれませんが、ウェブカメラを活用すればリアルタイムで海上の様子を確認できます。

Cametan 海の様子がわかるライブカメラ

プランクトンが異常増殖するのは海だけ?

プランクトンの異常増殖は、海だけでなく湖や池などでも起こります

原因は、やはり人の生活による排水や農業排水、工場排水によって水が“富栄養化”してしまうこと。

青潮や赤潮発生の問題は、私たち人間の生活に深く関わっていそうです……。

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