今泉小を増築へ マンション建設に対応 海老名市教委

近隣でマンション建設が相次ぎ、児童数が増えている海老名市立今泉小学校=同市上今泉

 海老名駅周辺で相次ぐマンション建設による児童数増に対応するため、海老名市教育委員会は17日、市立今泉小学校(同市上今泉)の増築に取り組む方針を明らかにした。市教委の推計によると、早ければ2022年度から教室数の不足が生じる見通しといい、20年度の一部の新入生を対象に近隣小への入学も選べる「選択制」も先行導入する。

■選択制も先行導入

 市では鉄道3線が乗り入れる海老名駅の利便性が近年再注目され、駅間地区や西口周辺などの地域でマンションの建設が相次ぐ。今泉小の学区である西口周辺の地域では子育て世帯を中心に新住民の移住も多く、市の発展の象徴的なエリアの一つとなっている。

 発展が続く半面、今後の教室数不足が取り沙汰される同小では現在、23クラスで計約690人が在籍。今後のマンション開発に伴う人口増なども加味した市教委の推計では、ピークとなる30年度には倍以上の1500人に達する。教室数は22年度から不足し、30年度には普通教室が18教室不足するほか、40年度前後まで不足の状態が続くという。

 そのため、市教委は「増築の内容を早急に決定し、数年内に対応を図る」と説明。音楽室などの特別教室、多目的ルームの設置なども課題に乗せる。

 児童数増の対策の一つとして、選択制を先行導入することも明らかにした。同小学校区の一部地域で近隣の有鹿小(同市河原口)、上星小(同市上今泉)も選べるようにする。今後、対象地域の家庭に周知する考えだ。

 同駅周辺で人口が増加する一方、市教委は「児童数が減少する学校との二極化が進む」との認識を示し、広域的な学区の見直しや学校再編なども必要に応じ検討する。

 同日の市議会本会議で、宇田川希氏(創志会)の一般質問に答えた。

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