入出荷管理システム更新 富山中央青果、情報発信にも活用

新しい基幹システムで販売管理を行う従業員=富山中央青果

 富山中央青果(富山市掛尾町、安井豊社長)は、入荷から出荷までの流れを管理する基幹システムを更新した。将来的には新たに加わった市場情報の統計機能を活用し、青果の入荷量ランキングや価格動向などをウェブ上で一般公開する方針で、積極的な情報発信で開かれた市場を目指す。

 新しい基幹システムは、働き方改革の推進や軽減税率対応などを目的に7月に導入。来年4月に本格稼働させる。販売管理画面を一新してデータ入力の作業効率を高めたほか、社外のパソコンからもシステムにアクセスできるように改良した。営業担当者が出先でも入荷状況の確認や注文データの入力が可能になり、利便性が高まる。

 統計機能では、過去10年間の入荷量を産地別に表示したり、相場価格の推移を品目別に調べたりできる。これまでも販売データは社内のパソコンにまとめていたが、データの集計、分析には時間がかかっていた。新システムではオンラインで瞬時に検索できるため、営業担当者が取引先との商談でデータを活用しやすくなる。

 ウェブ上での統計情報の公開は、2、3年後をめどに準備を進めている。より多くの人に閲覧してもらえるよう、グラフやランキング形式に加工して提供する予定だ。安井社長は「市場のIT化を通じて、消費者に役立つ情報を発信したい」と話す。

 システムの更新は、北陸銀行、日本政策金融公庫、商工組合中央金庫からの協調融資を活用して行われた。

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