交番の防犯対策「全国に紹介」 警察庁、栗生長官が下堀交番視察

前田署長の案内を受けて下堀交番を視察する栗生長官(左から2人目)=富山市下堀

 昨年6月の奥田交番襲撃事件を受け、警察庁の栗生俊一長官が19日、富山市の下堀交番を視察した。今年4月に完成した同交番は、襲撃事件を受けて防犯対策が強化されており、栗生長官は「先進的な事例を全国の警察に紹介したい」と語った。

 栗生長官は奥田交番跡地を訪れてから下堀交番に到着。前田幹二富山中央署長の案内で、下堀交番に設けられた車止めのガードパイプのほか来訪者のスペースと執務室との間を仕切る防犯ガラスなどを視察した。

 視察を終え、栗生長官は「(事件の)被害者の冥福を祈り、遺族にお悔やみを申し上げたい」と述べた。さらに「地域を守る交番で拳銃が奪われ市民の命が脅かされることはあってはならない」と語り、事件を重く受け止めて対策を進めているとした。

 下堀交番は、襲撃事件を受けて急きょ仕様を変更して新築された。新たな奥田交番は来年1月に完成する予定で、安全対策に秀でた「モデル交番」とする。

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