平戸の秋、アゴ漁本格化 刺し身やかまぼこ味わって

アゴを水揚げする坂本浩一船長=平戸市、舘浦漁港

 長崎県平戸に秋の訪れを告げるアゴ(トビウオ)漁が始まった。焼きアゴに加工されて全国に出荷。かまぼこなどの練り製品の原料や、刺し身などにして地元でも味わう。漁は10月中旬まで続く。
 今年のアゴ漁は、例年より2週間ほど遅い9月10日より本格化。取れているのは焼きアゴ用となる全長10~20センチのホソアオトビウオやホソトビウオ、刺し身用として関西周辺に卸すツクシトビウオ。北や北東から吹く季節風(アゴ風)の影響で、アゴが山陰沖の日本海から南下し、平戸島や生月島の沿岸に押し寄せている。
 同市生月町の舘浦漁協(金子原二郎組合長)では18日、2隻の船で魚を網に追い込む漁法の4カ統計8隻が出漁し350箱(1箱約11キロ)を水揚げした。
 140箱を漁獲した漁船伸洋丸(4.9トン)船長の坂本砂雄さん(76)と七福丸(同)船長の浩一さん(44)親子は午後4時半ごろ帰港。たも網を使い漁船からアゴを揚げた後、漁協職員らが選別し箱詰めした。
 価格は平年並みの1箱3500円ほど。平戸魚市などに出荷される。同漁協は「心配された漁期も本格化し、ほっとしている。平戸のアゴをぜひ味わってほしい」としている。

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