写真家とコラボ生地表現 黒部短歌会 まち歩き魅力発見

まち歩きで発見した生地の魅力を短歌と写真で伝える作品展

 まち歩きで発見した黒部市生地地区の魅力を短歌と写真で表現する作品展が、同市北新のパレス扇寿で開かれている。黒部短歌会(上田洋一代表)が市内のアマチュア写真家と初めて一緒に吟行会を行った成果で、上田代表は「短歌と写真が響き合い、生地の暮らしや歴史など全体的な雰囲気が出せたのではないか」と話す。 (黒部支局長・荒木佑子)

 吟行会は6月に会員22人が参加して行い、荻野弘文さん(63)らアマチュア写真家が同行した。これまで、荻野さんが撮りためた中から短歌に合う写真を選んでコラボ展示をしたことはあるが、同行は初めて。

 会員の短歌2首ずつと写真72点を展示した。旅館「生地温泉たなかや」では、置屋から移築した茶室の歴史を、見学の様子を捉えた写真と「芸妓衆さんざめきしとう高楼の今は茶室となりて静もる」との歌で表現。「謙信手植えの松」を見上げる会員の写真のそばには「生き生きて齢四百余年なる松は令和の梅雨空に立つ」との歌を展示した。ガイドの解説に引き込まれ「説明が清水(しょうず)の如(ごと)く湧き出でて聴き見て触れて飲んで楽しむ」と詠んだ人もいる。

 同短歌会事務局の福島美子さん(77)は「歴史にも自然にも感動した」と振り返り、評者の山口桂子さん(72)は「五感全てを使って生地を味わえた。写真で臨場感がある会場になった」と言う。荻野さんは「普段の黒部を感じてもらえる機会になればいい」と話した。

 30日まで。10月は市民会館、12月は市宇奈月国際会館セレネ、来年3月には北洋の館で展示する。

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