カブス・カステヤーノス 右打者では83年ぶりの二塁打57本

地区首位のカージナルスに敗れ、4連敗となったカブスだが、そのなかでニコラス・カステヤーノスが83年ぶりの快記録を達成した。5回裏にカージナルス2番手のライアン・ヘルスリーからライトへの二塁打を放ったカステヤーノスは、この一打が今季57本目の二塁打。シーズン57二塁打以上はメジャーリーグ史上13度目であり、右打者に限定すると1936年以来83年ぶりの快挙となった。

試合後、カステヤーノスは「僕たちは勝つために戦っている。今はそれだけだよ」と語り、自身の記録に関心を示さなかった。記者から二塁打の記録について尋ねられた際も「勝つことができれば野球は楽しいし、面白くなるんだ。二塁打を60本打つより、僕は勝ちたいんだよ」と勝利最優先の姿勢を崩すことはなかった。

とはいえ、二塁打57本というのはメジャーリーグの歴史に残る快挙であり、1937年以降では2000年のトッド・ヘルトン(ロッキーズ:59本)と同じく2000年のカルロス・デルガド(ブルージェイズ:57本)しか達成していない。ただし、ヘルトンとデルガドはともに左打者であり、右打者に限定すると、1936年に57本の二塁打を放ったビリー・ハーマン(カブス)が最後である。

ちなみに、シーズン60二塁打以上を記録したのはメジャーリーグの長い歴史のなかでも6人だけであり、1931年のアール・ウェブ(67本=メジャー記録)、1926年のジョージ・バーンズ(64本)、1936年のジョー・メドウィック(64本)、1934年のハンク・グリーンバーグ(63本)、1932年のポール・ウェイナー(62本)、1936年のチャーリー・ゲーリンジャー(60本)という顔ぶれになっている。

7月末のトレードでタイガースからカブスに加入したカステヤーノスは、移籍前の100試合で37二塁打・11本塁打、移籍後の47試合で20二塁打・15本塁打をマーク。期待以上の猛打でチームに不可欠な戦力となっており、ポストシーズン進出に黄信号が灯っているチームを、そのバットで勝利に導くことができるか注目だ。

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