若年性認知症 支援につなげて 長崎県 ハンドブック作成 電子版も 症状、窓口など紹介

県が初めて作成した若年性認知症に特化したハンドブック

 21日は世界アルツハイマーデー。県は若年性認知症の患者や周囲の人を支援しようと、症状や相談窓口などを盛り込んだハンドブックを初めて作成した。県は「悩んだ時の相談や支援につなげるきっかけにしてもらえれば」としている。
 若年性認知症は65歳未満で発症する認知症のこと。県などは県内の医療機関を対象に実態調査をしており、県内に少なくとも200人以上の患者がいることが明らかになっている。県は昨年度、若年性認知症専門のコーディネーターを県認知症サポートセンター(長崎市茂里町)に配置するなど支援を強化している。
 ハンドブックは働き盛り世代やその家族を主な対象に作成。「作業に手間取るなどミスが目立つようになる」「財布や鍵をどこに置いたか分からなくなる」といった質問項目を設けた。発症初期はうつや体調不良と間違われやすいとして、普段と違うと感じたらどこかに相談することを促している。
 ハンドブックは各種相談窓口を紹介。認知症を疑った時に相談できる医療機関、傷病手当金や障害年金などの経済支援などを列挙しているほか、住宅ローンや子どもの就学支援など利用できる可能性があるサービスも紹介している。
 県内の医療機関や相談機関、各市町などに送付する予定。県長寿社会課のホームページには電子文書版が掲載され、誰でも閲覧できる。若年性認知症についての相談は同センター(電095.847.0473)。

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