4カ月ぶり「空中散歩」 箱根ロープウェイ、一部運転再開

ロープウェイの窓から芦ノ湖の眺めを楽しむ乗客=箱根町

 箱根山(箱根町)の警戒レベル引き上げに伴う大涌谷立ち入り規制基準の一部見直しを受け、箱根ロープウェイは21日、桃源台-姥子駅間(1.3キロ)の営業運転を再開した。全線運休から約4カ月ぶりの「空中散歩」復活で、3連休初日の景勝地は県内外の観光客でにぎわった。

 全線運休となった5月19日以来の一部再開で、運行時間は午前9時45分から、平日は午後3時15分、土日祝日は午後4時15分まで。運行時間外と運休が続く姥子-早雲山駅間は、従来通り代行バスを走らせる。

 桃源台駅では、運行再開を待ちわびた観光客らが行列をつくった。“始発”に乗ろうと朝6時に自宅を出たという会社役員鹿俣征志さん(74)=静岡県浜松市=は「再開を楽しみにしていた。眺めは格別。紅葉の時季にまた来たい」。孫の平井蓮夢さん(7)は「高いところから芦ノ湖が見られて楽しかった」と笑顔だった。大勢の乗客が同駅から姥子駅までの約8分間、高所から見る景色を楽しんでいた。

 基準見直しに伴い、大涌谷名物の「黒たまご」を製造販売する奥箱根観光も、警戒区域内での製造が可能になった。この日から試験製造し、臨時店舗「くろたまご館4」(同町仙石原)で買い物した客に数量限定でプレゼント。担当者は「近日中に販売再開日を発表したい」と話した。

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