<レスリング>【2019年世界選手権・特集】第8日・出場選手の声(山口海輝、髙橋夢大、高谷惣亮、赤熊猶弥)

(2019年9月21日、カザフスタン・ヌルスルタン/取材=布施鋼治・松本一葉)


 ■男子フリースタイル61kg級・山口海輝(日体大=初戦でモンゴルの選手に2-3で惜敗)「まだシニアの61㎏級では自分の攻めが通用しないと思いました。相手の力が強くて、崩し切れなかったところが敗因。自分が相手を場外に出したと思い、気を抜いたところで逆に回られ、自分の方が外に出された。うまくやられたという感じです。

 ジュニアで闘っていた頃は、相手の方が先にばてて、後半、自分の攻撃ができた。今回は最後まで自分の形で攻めることができなかった。ジュニアとシニアでは大きな差があるとは思わなかったけど…、経験の差ですかね。(本来の階級の57㎏級で、日本が枠をとれなかったことについて)オリンピックは一度失ったチャンスだと思っている。次はしっかりと自分のものにしたい。前に出て相手が崩れ、ばてたところで攻撃を仕掛ける自分のレスリングで勝負したい」


 ■男子フリースタイル79kg級・髙橋夢大(京都・網野高=日本の男子高校生として30年ぶりの世界選手権出場も初戦突破ならず)「やっぱり世界の大舞台で、日本人にない外国人の粘り強さを感じました。(攻めの姿勢は見えていた、という問いに)いや、ちょっと躊躇(ちゅうちょ)してしまった部分はあった。ふだんの試合だったらもっと攻め込むことができたと思う。メンタル面を強化していきたい。

 いつも先生(監督)から『チャレンジャーとして行け』と言われているので、その気持ちを持って挑んだつもりです。技術も気持ちの面でも足りないことが分かりました。自分はオリンピックを目指しているけど、今回の出場で、あらためてオリンピックまでの厳しさを学ばせてもらいました。この経験を活かしたい。こんな大きい会場でやったことはなかったので、入った瞬間、びっくりしました。いい経験になりました」


 ■男子フリースタイル86kg級・高谷惣亮(ALSOK=3回戦で米国育ちのサンマリノの選手に黒星)「最後は、どっちに取られてもおかしくない微妙な判定で負けてしまった。組み合わせが決まった時点で、小さい山からのスタートだったので、大変かなとは思ったけど、勝ち上がれると思っていました。まさかサンマリノの選手が上がってくるとは思っていなかったのでビックリしました。初めて見た選手でした。そんなに強い選手ではなかった。

 (現地に到着後、40度の高熱が出て2日間ほど寝込んでいたことについて)スタミナに関してはちょっと問題があるかもしれないけど、熱のせいで体の疲れが抜けたりすることはなかった。僕にとっては初めての86㎏級の世界選手権。余裕のある闘いができたことはよかったと思いますが、おそらく彼(サンマリノ選手)は決勝に上がれないと思うので、ここで僕の世界選手権は終わりになると思う。日本にいる86㎏級の選手も元気になるでしょう。天皇杯(全日本選手権)に向け、僕も負けないようにやっていこうかなと思います」


 ■男子フリースタイル97㎏級・赤熊猶弥(自衛隊=地元カザフスタンの選手にテクニカルフォール負け)「情けない。敗因はけが(試合中に左足首を負傷)のせいではない。けがは、足を戻す時にひねってしまったみたい。踏ん張りがきかなかったけど、途中で棄権することは考えなかった。もうちょっとできると思った。

 今までやってきたことを何もできなかった。大会前の調整はうまくいっていて、組み合わせもいいところに入って、モチベーション的にはすごい高かった。もし明日(敗者復活戦)あれば、悔いが残らないようにやろうと思います」

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