<レスリング>西口茂樹・強化本部長の総括

 ■西口茂樹・強化本部長の総括「金メダルを5個くらい取るつもりで来たのに、取ったのは3個。そのうちひとつは非オリンピック階級だった。厳しい結果であることは事実だが、オリンピックまでに克服できないことはない。

 女子は金メダルをひとつしか取れなかった。厳しいです。53㎏級の向田真優は負けるとは思っていなかった。良かったのは76㎏級の皆川博恵。今まで世界選手権では3位がいっぱいいっぱいだったけど、金メダルを取れるんじゃないか、というところまできている。能力の高い沼田トレーナーに指導を受けながらウエートトレーニングに取り組んでいる成果が出てきているんだと思います。

 男子グレコローマンは、軽量3階級で非常にいい勝ち方をした。対照的に重量級の結果はいまひとつ。今回63㎏級で優勝した太田忍が、転向を宣言している67㎏級でどこまで通じるか。本人は『すぐロシアへ行きたい』と言っているけど、『もう少し筋肉をつけたら、どこに行ってもいい』と諭しています。
 
 男子フリースタイルは、2階級でオリンピック出場枠を取ったけど、やはりエース階級(57㎏級)で高橋侑希が勝てなかったことは痛い。2年前、初めて世界チャンピオンになった時の高橋はもっと貪欲でした。65㎏級の乙黒拓斗は、本人の頭の中では『今の自分のままでいけるんじゃないか』という考えがあったと思う。(去年世界チャンピオンになったことで)対策も打たれている。もっと図太くならないといけない。高田専務理事や小幡コーチのアドバイスに耳を傾け、サイドステップなど最後の+アルファを取り入れてほしい。乙黒ならできると思います」

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