高岡向陵が圧勝

未来富山-高岡向陵 相手打線を無得点に抑えた高岡向陵の先発宝里=県営富山(写真部・金田侑香里)

■高岡向陵 10-0 未来富山

 【評】高岡向陵が投打で圧倒した。積極的にバットを振り、相手投手の甘い球を見逃さなかった。犠打で確実に走者を進めるなど小技も光った。先発宝里は伸びのある直球を低めに集め、5回を無失点に抑えた。

 未来富山は速球を打ちあぐねて外野フライを量産。1安打にとどまり、最後まで反撃の糸口をつかめなかった。4失策と守備のミスも痛かった。(堀)

■宝里 決勝に導く好投  最後の打者を直球で三振に仕留めると、マウンド上でグラブをたたいてほえた。高岡向陵の1年生左腕、宝里は強気のピッチングで5回を1安打無失点に抑え、チームを秋大会で初となる決勝へ導いた。

 前日の準々決勝は3失点。味方の援護で競り勝ったものの、試合後には檜物政義監督から「これでは明日は打たないと勝てん」と発破を掛けられた。この言葉で負けん気に火が付いた。140キロ近い直球にカーブやスライダーを織り交ぜ、未来富山打線を手玉に取った。

 唯一のピンチは四回。制球が乱れ、安打と四死球で2死満塁となった。この場面では、「一球一球慎重に投げようと思った」と、冷静さを失わなかった。低めに球を集めて切り抜けた。

 次は高岡商と頂点を懸けて戦う。「決勝は最後まで投げ切って勝ちたい」。夏の王者にも一歩も引く気はない。(社会部・堀佑太)

© 株式会社北日本新聞社