シアター・オリンピックス大団円 壮大な花火劇で観客魅了

鮮やかな赤い花火がステージを染める「世界の果てからこんにちは」=県利賀芸術公園野外劇場

 国際的な舞台芸術の祭典「第9回シアター・オリンピックス」の最終公演が22日、南砺市の県利賀芸術公園野外劇場で行われ、日本側芸術監督の鈴木忠志さん(劇団SCOT主宰)演出の「世界の果てからこんにちは」が上演された。花火を打ち上げるなど、屋外のステージを生かした壮大な演出で観客を魅了した。

 「世界の果て-」は、鈴木さんの作品から日本について考えさせる場面を集め、1人の男の心象風景として描いた作品。戦時中に歌われた「海ゆかば」や歌謡曲を織り交ぜながら歴史をたどり、日本人の精神性を表現した。

 激しい雨が降りしきる中、出演者は熱のこもった演技を繰り広げ、客席から大きな拍手が送られた。終演後、鈴木さんが舞台に登場。「皆さんのおかげでシアター・オリンピックスを成功させることができた。これからも演劇を通して世界に問題提起していきたい」とあいさつした。鈴木さんの発声で、石井隆一県知事と吉田忠裕実行委員会会長が鏡開きした。

 シアター・オリンピックスは8月23日、南砺市利賀地域と黒部市で開幕し、世界16カ国・地域の演劇人の作品を上演。23日に鈴木さんのトークセッションを新利賀山房で行い、閉幕する。舞台芸術財団演劇人会議、シアター・オリンピックス2019実行委員会、文化庁、県、SCOT主催。

気迫のこもった演技を披露する俳優たち
雨にも関わらず、大勢の観客が野外劇場を埋めた

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