【MLB】ダルビッシュ、快投も無念8敗目 米記者は続々と擁護&称賛「素晴らしい復活」

カージナルス戦に先発したカブス・ダルビッシュ有【写真:Getty Images】

8回まで1失点12Kも…9回に2失点で8敗目、地区V消滅も「ダルビッシュはできる限り長く投げた」

■カージナルス 3-2 カブス(日本時間23日・シカゴ)

 カブスのダルビッシュ有投手は22日(日本時間23日)の本拠地カージナルス戦で9回途中7安打3失点12奪三振無四球と好投したものの、8敗目(6勝)を喫した。8回まで1失点12奪三振と相手打線を圧倒していたが、9回に2点を失って逆転を許した。カブスは2-3で敗れて6連敗を喫し、地区優勝が消滅。ワイルドカードでのプレーオフ進出も6試合を残して4ゲーム差と極めて厳しい状況となった。米メディアは快投を見せながら敗戦投手となったダルビッシュを擁護している。

 初回に1点の援護をもらったダルビッシュは、立ち上がりから快投。3回にデヨングに同点ソロを浴びたものの、その後も相手を圧倒し続けると、カブスが6回にカステラノスのソロ弾で追加点。1点のリードを守り、96球で9回も続投した。

 しかし、先頭の代打マルティネスの大飛球を中堅の名手アルモラがグラブに当てながら捕球できず、三塁打に。続くファウラーは犠飛で同点。エドマンに右前打と二盗でチャンスを作られ、ゴールドシュミットには三塁線を破られる適時二塁打を浴びて逆転を許したダルビッシュ。ここで無念の降板となった。ただ、8回1/3はカブス移籍後最長。絶対に負けられない一戦で9回途中までマウンドを守り続けたダルビッシュがダグアウトに向かうと、本拠地のファンはスタンディングオベーションで力投を称えた。

 米メディアも一斉にダルビッシュを擁護した。「NBCスポーツ・ワシントン」のブライアン・マクナリー記者は、ダルビッシュが9回に失点した直後に「カージナルスがカブスからリードを奪った。ブルペンを信頼していないため、カブスはダルビッシュに9回も続投させた」とレポート。今季途中加入のキンブレルの救援失敗が続くなど、カブスは終盤にきてブルペンが“弱点”となっており、この日もダルビッシュが9回に続投せざるをえない状況だった。

「オールスターブレーク後、全力の投球を見せたユウ・ダルビッシュを称賛する」

「NBCシカゴ」のジェームズ・ヌブー記者は失点直後に「言っておくが、私はダルビッシュが続投したことに問題ない(と思う)。ブルペンの現状から、他に頼れる人がいるだろうか?」とツイート。MLB公式サイトでカブス番を務めるジョーダン・バスティアン記者も「カブスのブルペンは疲労しており、ユウ・ダルビッシュは今日できる限り長く投げた。上手くいかなかった」とつぶやいた。

 また、スポーツ解説者のアル・バーンスタイン氏は「試合後、ダルビッシュが部屋でかなり落ち込んでいる」と右腕のゲーム後の様子を伝えつつ「後半戦を通して、ハイレベルなパフォーマンスを見せたほぼ唯一の選手。素晴らしい復活」と称賛。米経済誌「フォーブス」などに寄稿しているジェイソン・パット記者は「オールスターブレーク後、全力の投球を見せたユウ・ダルビッシュを称賛する。カブスの酷いシーズンで、唯一の明るい材料」と、後半戦のダルビッシュの活躍を称えた。

 前半戦で散々だったコントロールはこの日も安定しており、110球を投げてストライクは82球。後半戦13試合目の登板で無四球は7試合目で、その他の6試合も全て2四球以下に抑えている。防御率も3.98と再び3点台に。後半戦の安定感はメジャー屈指だ。

 それだけに、信頼できるクローザーがいれば……。ダルビッシュが役割を果たしたことは、米メディアの称賛、地元ファンのスタンディングオベーションを見れば明らかだった。(Full-Count編集部)

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