詐欺防止へ端末活用 農家に映像配信 三浦

三浦市農業協同組合が組合員に有料で貸し出しているタブレット端末

 神奈川県警三崎署が、三浦市農業協同組合が農家に貸与するタブレット端末を、振り込め詐欺防止にも活用している。年金の支給日前後に手口や対策を紹介する映像を配信し、注意を促す。

 タブレット端末は、市農協が2017年5月から希望する組合員に有料で貸し出している。畑で野菜を撮影して病気の判定に役立てたり、市農協のアプリで市況グラフや野菜規格表などを確認したりもできる。

 市農協は元々、野菜の出荷状況などを有線放送で配信してきたが、専用の電線が切れることが多く、画面が8インチまたは10インチのタブレット端末を貸し出す方法に切り替えた。

 署は、高齢者の多い農家が利用しているタブレット端末を振り込め詐欺防止に生かすため、今月11日に市農協と協定を結んだ。市農協のアプリを使い、振り込め詐欺の手口や対策を紹介する映像を配信するほか、前兆電話が市内で集中した際に注意喚起していく。

 署によると、管内の振り込め詐欺の今年の認知件数は17日までで5件、被害総額は約710万円に上る。特に高齢者が狙われやすく、市農協の担当者は「詐欺防止につなげたい」と話している。

© 株式会社神奈川新聞社