【台風15号】「神奈川も支援」要請へ 台風被害補助巡り

アパートの屋根が強風ではがれて落下し、隣の住宅も被災した現場=13日、横浜市内

 台風15号で一部損壊した屋根の修繕費用を補助対象に加えた政府の特例を巡り、県は25日、神奈川県内の被災住宅にも支援措置を講じるよう要請する方向で検討に入った。補助対象を千葉県内に限定する政府に対し、「被災者の不公平感は否めない」と指摘。神奈川でも深刻な被害が多発している現状を踏まえ、別枠の補助制度を求めるなど被災者の負担軽減を図りたい考えだ。

 政府が24日までに決めた瓦屋根の修理費補助策は、国の住宅再建支援制度から外れる「一部損壊」にも対象を拡大し、公費負担分の9割を国交付金などで賄う内容。国土交通省は対象範囲について、瓦の落下被害が多発した「千葉県に限定」しており、他都県の支援については「今後検討する」と説明している。

 これに対し、県は「同じ台風で被害を受けていながら千葉県内の住宅だけ国が救済するのは、神奈川や東京などの被災者から理解が得られない」と指摘。神奈川県内の被災規模は災害救助法などの適用条件を満たしていないとしながらも、「法の枠組みを超えた新たな支援基準の設定」を求めたい考えだ。

 県や横浜市などによると、県内での台風15号による住宅の一部損壊は横浜市の831棟をはじめ、横須賀市の323棟、平塚市の41棟など少なくとも約1400棟に上る状況。このうち屋根損壊の件数は未確認だが、「甚大な被害を受けている住宅は少なくない」(県担当者)。被害件数は集計が終わっていない自治体もあり、さらに増える可能性がある。

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