空前のビリヤードブーム! ブレイクショットの定番はエリック・クラプトン♪ 1986年 12月23日 映画「ハスラー2」が日本で公開された日

映画『ハスラー2』が日本で公開されたのは1986年12月23日。ほぼ同時期に公開された『トップガン』の大ヒットの陰に隠れてちょっと地味(?)な感じの作品だけど、僕はこの『ハスラー2』という映画が大好きだ。

僕がこの映画が大好きな理由は、『トップガン』で大ファンになったトム・クルーズが主演だという後付けの理由を除いて3つある。

1つ目は僕が1番好きな俳優と言ってもいいポール・ニューマンが主演ということ。2つ目がこれまた僕が大好きなマーティン・スコセッシが監督であること。そして3つ目は主題歌が最高にカッコイイということだ。

『ハスラー2』の主題歌は、エリック・クラプトンの「ザ・ギフト(It's in the way that you use it)」。アルバム『オーガスト』に収録されているナンバー。クラプトンのシャウトを存分に聴くことができる曲で、僕は今でもビリヤードをやるときは、この曲を頭の中で再生しながら気分を盛り上げている。ブレイクショットの時は決まって It's in the way that you use でタイミングを取って it で手玉を突く。

僕がビリヤードを始めたのは大学1年生の時。年齢は1つ上の同級生のケイゾーに誘われて始めたのがきっかけ。ビリヤードって下手くそ同士でやっていても絶対に上手くならないものだけど、ケイゾーはビリヤードがホントに上手くて、お陰様で僕のビリヤードの腕前もかなり上がった。

ご存知の通り、『ハスラー2』は、プールバーという新しい業態を生み出すほど空前のビリヤードブームを巻き起こしたわけだけど、ブームの前からビリヤードをやっていた者にとって、マイナーだったビリヤードがメジャーになったのはうれしい反面、非常に困った事態を巻き起こす。

映画の影響でにわかハスラーが一気に増殖したため、ビリヤード場が足らない、2時間待ちは当たり前、そう、球を突きたい時に突けなくなってしまったんだ。でも、ケイゾーのお陰でそこそこ突けた僕は、順番待ちのにわかハスラー達にいいとこ見せられて(いいショット決めるとオーって言われたりして)、気持ち良かったんだけどね。

『ハスラー2』は、一見トム・クルーズの映画と思われがちだけど、ポール・ニューマンの映画だ。名作『ハスラー』の続編だから当たり前だけど、事実、彼はこの映画でアカデミー主演男優賞を受賞している。

公開当時は年代的にどちらかというとトム・クルーズ演じるヴィンセントに感情移入して観ていた気がするけど、50代を迎えた今観直してみると、感情移入するのは100%ポール・ニューマン演じるエディだ。Re:minder 世代の皆さんも是非観直してみてください。まだまだ若者には負けられない、男の尊厳とは何かを思い出させてくれる名作です。

※2016年6月19日に掲載された記事をアップデート

カタリベ: 藤澤一雅

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