路面電車210円均一が軸 富山駅高架下の南北接続

 富山駅の南と北を走る路面電車を駅高架下でつなぐ富山市の南北接続事業で、2020年3月の接続後の運賃は、210円均一を軸に検討されていることが分かった。富山地方鉄道(富山市桜町)と富山ライトレール(同市城川原)は10月1日から、消費税率アップに伴って市内電車とライトレールの運賃を共に現行の200円均一から10円引き上げる。そのまま据え置かれることが有力とみられる。

 接続後の運行ルートは10月1日に発表される。相互の車両が乗り入れることで、富山大や南富山駅と、岩瀬浜を結ぶなどさまざまなパターンの運行が可能になり、市中心部と海岸部を乗り換えせずに210円で移動することも想定できる。

 接続後の運行は、20年2月にライトレールと合併する地鉄が担う。乗った距離にかかわらず運賃は全線均一にすることで合意しており、国に認可を申請して決定する。

 市と地鉄、ライトレールは南北接続の開業日や開業後の運行形態、運賃などについて協議しており、10月1日に3者が共同で発表する。開業日は3月21日で調整している。

 南北接続は、富山駅の北側でライトレールが走らせるLRT(次世代型路面電車)と、南側で地鉄が運行する市内電車のレールをつなぐ事業。鉄道で分断された市街地を公共交通で結ぶもので、市は「コンパクトなまちづくり」の集大成と位置付けている。

 市内電車は南富山駅と富山駅、富山大を結ぶルートに加え、09年に中心部を周回する環状線が開業している。

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