韓国の情報機関「北朝鮮の北西部で豚が全滅」

韓国で今月17日に豚への感染が公式に確認された家畜伝染病「アフリカ豚コレラ」(日本で発生している「豚コレラ」とは別のもの)。25日には、江華島(カンファド)の養豚農家への感染が確認され、感染確認は5例目となった。

いずれの感染も、軍事境界線を挟んで北朝鮮と接している地域で見つかっていることから、北朝鮮から感染が広がったとの見方がある。台風による大雨で川を伝って流されてきた、宿主のイノシシが韓国にウイルスを持ち込んだ、などというものだ。

そんな中、韓国の国家情報院は、北朝鮮の平安北道(ピョンアンブクト)で豚が全滅したとの話があるとの報告を行ったと、韓国メディアが報じている。

韓国の国会で情報委員長を務める野党・正しい未来党の李恵薫(イ・ヘフン)議員は、国家情報院の報告の内容として、「平安北道で豚が全滅した、豚が全くいなくなった、肉のある家はないとの不満が出るほど、北朝鮮全域にアフリカ豚コレラがかなり拡散したとの徴候がある」と述べている。

北朝鮮は、発病した豚の殺処分、豚肉の流通禁止、移動制限、畜産業従事者の墓参り禁止などを行っているが、7月以降、各地域で感染が拡大しているとのことだ。

韓国政府は、感染の拡大防止に共同で取り組むことを呼びかけているが、北朝鮮からの回答はないもようだ。


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