生活基盤の情報「事業者任せに」 問題を指摘

風水害の防災意識向上について話す河田氏=横浜市会棟

 横浜市会減災対策推進特別委員会は24日、風水害の防災意識向上をテーマに、関西大社会安全研究センター長の河田恵昭氏を参考人として招致した。台風15号により停電が続いた千葉県で行政の対応の遅れが指摘されていることについて、電気などライフラインに関する情報源が「事業者任せ」となっている構造上の問題を指摘した。

 河田氏は講演後、委員からの質問に対し、「一義的に問題があるのは事業者。『行政の対応遅れ』と言うのはお門違い」と説明。一方、テロの危険性などから、事業者が全ての情報を提供するのが難しい点にも言及した。

 講演を通して河田氏は、防災訓練や自助・共助の取り組みなど市民一人一人による減災を「災害文化」と定義し、重要性を強調。近年各地で起きた大雨では、避難指示や勧告が出ても実際に避難した住民はごく一部とし、「洪水では避難するという新たな文化をつくらないといけない」と力を込めた。

 横浜市内については、鶴見川が特定都市河川浸水被害対策法に基づく特定都市河川に全国で初めて指定されたことを挙げ、危機感を持つよう呼び掛けた。

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