海外好調2年ぶり増収 佐藤工業6月期連結

 佐藤工業が25日発表した2019年6月期連結決算は、国内外ともに建設工事部門が好調で2年ぶりに増収となった。一方、海外の大型工事は売上高には貢献したものの、利幅が少なかったため、経常、純利益は減った。配当は期末一括で1株当たり10円を据え置いた。

 単体での事業別売上高は、土木が561億円(前年561億円)、建設が821億円(同684億円)、不動産などの兼業は9億円(同9億円)だった。20年6月期の連結業績は増収増益を見込む。

 3カ年の中期経営計画も発表し、22年6月期までに売上高1939億円を目指す方針を掲げた。

 佐藤工業の宮本雅文社長は増収減益となった決算について「海外での大型建設工事が売り上げに貢献した。減益は一過性のもの」と振り返り、「利益率の向上が今後の課題になる」と先を見据えた。

 国内ではアリーナ建設工事の引き合いが増えている。「これまでの施工実績が評価されてきている。東京五輪をきっかけに盛り上がっているスポーツ施設整備に向けた需要を取り込みたい」と述べた。

■技術センター新設  佐藤工業は25日、10月1日付の組織改正を発表した。本社の事業支援センターと技術研究所を統合し、新たに「技術センター」を設置する。ICT(情報通信技術)やクラウドサービスを活用して現場の課題を吸い上げ、生産性アップに向けた支援を行う。

 技術センターには、コスト分析を担うTP支援室、ICT推進部、工務支援部、技術研究所を置く。

 ▽会長(顧問)川田紳一▽監査役 川田工業取締役経理部長宮田謙作▽建築事業担当(建築事業本部長)取締役常務執行役員医療機器販売担当伊藤隆実▽建築事業本部長(九州支店長)執行役員勝山正昭▽執行役員九州支店長(九州支店建築事業部長)中村豊彦▽相談役(会長)多田勝彦=以上25日付▽技術研究所担当を解く 取締役常務執行役員土木事業本部長平間宏=以上30日付▽取締役常務執行役員技術センター長 建築事業担当兼医療機器販売担当伊藤隆実=10月1日付

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