都心で大手アパレル開拓 靴下・レッグウエアの助野

大手アパレル担当者らに、多品種少量生産に対応できる「高岡LAB(ラボ)」の取り組みを紹介する展示=東京・南青山

■新宿に商談拠点、南青山で展示会

 靴下・レッグウエア製造の助野(高岡市上伏間江、助野一郎社長)は、東京都心で大手アパレルなど新規顧客の開拓に力を入れている。新宿に商談オフィスを設け、高級ブランド店が並ぶ南青山では初の単独展示会を開催。主力とする量販店向けと比べ、デザインや機能性に優れる高価格帯の製品を売り込んでいる。本社工場ではアパレル側が求める多品種少量生産の態勢も整え、受注を伸ばす。(東京支社・高木健成)

 新宿は大手百貨店や高級ブランド店が集まる流行の発信地。商談オフィスはアパレル会社の担当者が立ち寄りやすいよう、JR新宿駅近くにある「モード学園」などが入るビル内の約104平方メートルに設けた。

 商品企画と営業の社員計3人が常駐し、OEM(相手先ブランドによる生産)を中心に、既存品のアレンジや一からの新規開発に対応している。一角には同社で初めて直販コーナーも設け、アンテナ店としての機能も持たせた。

 ターゲットとする大手アパレル関係者との接点を増やすため、9月11~13日には高級ファッションの街として知られる南青山で展示会も開いた。3日間で訪れた約150社のうち約6割が、ここ1~2年で開拓した新規取引先や、全く取引のない企業だったという。

 大手アパレルの靴下販売量は量販店と比べ少なく、多品種少量生産を求められることがほとんどだ。量販店向けを得意とする同社の生産体制とはかみ合わないケースもあったが、2年前に本社に設けた「高岡LAB(ラボ)」を活用することでギャップを解消。編み方などの研究用設備を使い、少量生産に対応できるようにした。

 同社は新規取引先の開拓に力を入れ、市場全体が伸び悩む中でシェア拡大につなげる構え。担当者は「大手アパレルとの取引を通じ提案力やデザイン力を磨けば、主力とする量販店向けの提案や営業でもプラスになる」と話している。

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