テント場の管理者がいない時はどうしたらいい?
山行スタイルの一つ、テント泊登山。快適な山小屋に宿泊するのもいいですが、テントで過ごすのも山の醍醐味を感じる楽しみの一つ。
通常、山小屋などが管理するテント場を利用する場合には「幕営料」を支払うのが一般的。しかし、山小屋の営業期間は通年とは限りません。そんな時は一体どうしたらいいのでしょうか?
テント場利用方法のおさらい
登山地図には、キャンプ指定地が“テントマーク”で記されています。原則、テントマークがある場所を選びましょう。テント場の予約は一般的には不要です(一部例外あり)。まず山小屋で受付を済ませ、料金を支払ってからテントを設営するのがルール。
多くのテント場には水場やトイレがあり、幕営料を支払えば利用できます。それらは管理者あってのもの。整備してくれる人がいるおかげで、快適な幕営が可能になっているのです。
▼テント場利用についての詳細はこちら
テント場って予約は必要?7つの基本と、就寝前にしたい2つの翌日準備
テント泊をする時の7つの基本をご紹介。予約は必要?テントはどこでも張っていいの?水は?など素朴な疑問を解決しましょう。さらに、就寝前に...
結論|利用は基本的にOK、幕営料はケースバイケース
管理する小屋が営業期間外であっても、基本的にテント場の利用は問題ありません。
日本の山には数多くの山小屋があり、各運営者によって方針は様々。そのため、営業期間外や管理者が不在の場合、利用料金の対応については各小屋によって異なるのが実情です。
テント場を利用する際には、時期に限らず必ず事前に確認しましょう。
【事例あり】営業期間外の利用方法
ここでは実際の事例を元に、営業期間外のテント場の利用方法をご紹介します。
ケース①別の山小屋に支払う
八ヶ岳にある【行者小屋】の場合、営業期間外の利用料金は、同グループが運営する【赤岳鉱泉】で支払うことになっています。
小屋同士の距離は少し離れていますが、冬季でも水場やトイレが利用できるように整備されていますので、その恩恵を考えればさほど手間だとは感じないことでしょう。
ケース②料金をポストに入れる
南アルプスにある【南御室小屋】の場合は、幕営料を入れるポストが設置されています。利用料金を事前に確認し、きっちり納めましょう。
ケース③料金を支払わなくてもいい
北アルプスにある【燕山荘】は、営業期間外の利用料金は取らない方針。つまり、無料で利用できます。
テントを張りやすい環境を整えてくれていることに変わりはありませんので、感謝の気持ちを忘れずに!
注意してほしいポイント
山小屋の営業期間外ということは、テント場にある設備が使えない場合があるということ。営業期間外にテント場を利用する際に注意するべきポイントもチェックしましょう。
水の確保
水分は登山に限らず生命線。山小屋が営業していない時期には水場が使えない場合があるので要注意です。
自身で用意することが必要な場合もありますので、水場が使えるかは事前に必ず確認しましょう。
お手洗い
登山をする上で外せないのがトイレ問題。できるだけトイレで用を足すのがベストですが、そうもいかない場合には【携帯トイレ】を利用するようにしましょう。
登山口などにトイレが完備されている場合には、出発時に必ず利用する習慣も大切です。
【やむをえず野外で用を足す場合の注意点】
・登山道から十分離れること
・沢や水辺から十分離れること
・穴を掘って埋められること
▼携帯トイレについての詳細はこちら
登山にもっていきたい携帯トイレ!使い方や廃棄方法、おすすめトイレを紹介
収納サイズもコンパクトで水を使わずに処理できるため、登山や災害時など非常事態に備えておきたい携帯トイレ。一つあると安心のアイテムです。...
ゴミの持ち帰り
こちらも当然ですが、自分で出したゴミは自分で持ち帰ることがルールです。無人の山小屋にゴミを置いて帰るのは絶対にNG。
ゴミを持ち帰るために、ビニール袋を多めに用意しておきましょう。また、食べ物のカスや汁類を外に捨てることはマナー違反なので、トイレットペーパー等でふき取って持ち帰りましょう。
▼マナーについての詳細はこちら
【登山の常識】テント泊で知っておきたい5つのマナーとルール
テント泊をする時に、守りたい5つの基本マナーをご紹介。さらに、テント泊だからこそ楽しい過ごし方も伝授。ソロ用テントを購入する登山者が急...
快適なテント泊登山をするために
テント場を管理する山小屋のホームページには、営業期間外についてのアナウンスがされていない場合もしばしばあります。しかし、「分からない状態」で現地を訪れることにはリスクが伴います。事前に確認をとり、しっかりと準備をしたうえで、テント泊登山に臨みましょう!