ウィンゾーンプレゼンツ全日本最速店長選手権 涌本が2回目の優勝!

全日本最速店長史上最速のレースに。75kmの平均速度は時速42kmオーバー

下総運動公園内サイクルロードを50周回(1周1.5km)する、75kmで行われた全日本最速店長。昨年から導入されたポイント賞も健在。日本全国から店の看板を背負った店長自らが走る、プライドとプライドのぶつかり合いが魅力のこのレース。勝利を目指す走り、ポイント賞狙いの作戦、少しでも目立ってやろうという熱い走りなどが交錯する。

定刻の14時にレースはスタート。1周のニュートラルののち、ローリングスタートしていく39名の店長たち。序盤からペースアップのアタックが連発され、毎周回先頭が変わる、めまぐるしい展開。

[参戦した店長のリストはこちら
ウィンゾーンプレゼンツ全日本最速店長選手権2019 スタートリスト ](https://www.cyclesports.jp/depot/detail/123980)

全国から39人の店長が会場に集まった。残暑が会場の気温を上げていく

その中でまずは10周目。最初のポイント賞周回を迎える。最終着順で”最速店長”の座を争う以外にも、ポイント賞が設定されている。10周、20周、30周、40周のスタートフィニッシュランの通過順位に応じて1位から3位までにポイントが付与され、その合計獲得ポイントを争うものだ。

最初のポイント賞周回である10周目、まず1位通過したのは初参加のトキノサイクリングショップ 石倉龍二だった。続いて、Bicicletta SHIDO名護店 中尾 峻、サイクルベースあさひeコマース店 中村将也が続いた。ポイント賞周回が終わった後も、集団は落ち着くことなく、逃げたいメンバーが集団を抜け出しては吸収されることを繰り返していた。

4周目に形成された逃げグループ。ポイント賞までに集団に吸収された
10周目、最初のポイント賞周回はトキノサイクリングショップ 石倉龍二が先頭で通過

入賞経験がある店長による強力な逃げ!!

決定的な動きが起きたのは17周目。シルベストサイクル みのおキューズモール店 藤岡徹也が集団から抜け出す動きに同調して、過去優勝や入賞経験のあるエイジサイクル 岩島啓太、サイクルポイントオーベスト 西谷雅史、スクアドラ滋賀守山 涌本正樹の強力な4人による逃げが形成された。その後、藤岡が逃げからドロップしたが、思惑がそろった3人はハイペースでレースを進行し、20周目のポイント賞もそのまま通過。

例年であれば、レースの半分も消化していない段階で形成された逃げは、集団の力によって吸収され、さらに最終局面に向けた勝負がスタートする。会場の多くの人がそう思っただろう。でも逃げの3人は違った。

メイン集団も20秒~30秒程度のタイム差で走り続けていた。やはり捕まってしまうかと思っていたが、ペースが上がらなかったのはむしろメイン集団の方だった。先頭3人は集団とのタイム差を30秒から40秒台へと広げていく。

メイン集団からはサイクルぴっとイノウエ刈谷店 井上大我、Bicicletta SHIDO名護店 中尾 峻、初参加のCycleshop Ashiviva 普久原 奨らがキャッチアップの動きを見せるが、強力な3人には誰も届かなかった。メイン集団も人数を減らしていき、優勝経験のある強豪店長も途中でレースを降りるシーンもみられた。

17周目にできた岩島、藤岡、涌本、西谷(写真左から)による逃げ
普久原を先頭にメイン集団が逃げを追う
当日は厳しい残暑に見舞われ、各選手ニュートラルサポートから水を多く補給するシーンも

10周目のポイント賞周回以外は、逃げの3人ですべてのポイントを獲得。40周目のポイント倍付周回を先頭で通過した岩島が、まずはポイント賞を確定。その後も、優勝をかけたフィニッシュに向けて3人で走り続ける。

いよいよファイナルラップ、最後のスプリントを制した涌本が2015年に続いて、2回目の最速店長の称号を獲得した。ちなみに、もし岩島が優勝していれば史上初の大会連覇、3度目の優勝、ポイント賞と最速店長の両方を獲得という記録達成になっていた。出走39人中、完走したのは15人だった。

終わってみれば平均速度、時速42㎞オーバーというハイスピードレースだった。これは全日本最速店長選手権史上最速の記録である。

最後まで逃げ切った3人
優勝した涌本は大阪から大応援団が駆け付けていた。優勝の原動力
優勝したスクアドラ滋賀守山 涌本正樹。2位エイジサイクル 岩島啓太、3位サイクルポイントオーベスト 西谷雅史
平日の開催にもかかわらず、会場には自分のバイクの面倒を見てくれている店長を応援しようと、多くの観客が!!!

ユーチューブライブ配信映像

一口にスポーツバイクショップ店長といっても、店舗形態はさまざま。一人で切り盛りしている店長もいれば、チェーン店の店長など。責任ある立場で仕事をこなしつつ、このレースに臨んでいる。プロ選手とは違い、フルタイムで責任と業務を果たしつつ、トレーニングによってパフォーマンスを向上している。リアルヒーローといえるのではないだろうか。走ることへのこだわりは、もちろんパーツへのこだわりに通じる。そんな出場店長たちが進めるバイクやパーツがそろう各ショップに足を運んでみてはどうだろうか。

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問・ ビオレーサー

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