どうしよう! 急にバッテリーが上がっちゃった! あなたは即座に対応できますか?

バッテリー上がり

一般道でもっとも多いバッテリー上がり

JAFが公表しているデータによると、2018年4月から2019年3月までの1年間、一般道でもっとも救援依頼の多かったトラブルはバッテリー上がり。その件数は、710,226件と他のトラブルと比べて群を抜いて多く、すべての救援依頼内容の約3割を占めている。

15年間自動車整備士をしてきた筆者の経験では、スモールランプの消し忘れといった原因がはっきりしているものばかりではなく、「なんで上がったかわからない」「突然上がった!」など、バッテリー上がりの原因がはっきりしないケースが半数以上というのも、バッテリー上がりの大きな特徴だ。

本格的な行楽シーズンを控え、安心して楽しくドライブを楽しむためにも、バッテリー上がりの原因と、その対処法を正しく理解しておいて欲しい。

バッテリーが上がってしまった時の対処方法

※写真はイメージです

近年では、原因がはっきりせず、突然バッテリーが上がってしまったというユーザーが増えている。バッテリーを上げてしまう原因にはさまざまなことが考えられるが、近年ほとんどの車種に採用されている充電制御システムによって、バッテリーの劣化が分かりにくくなっていることも、ある日突然バッテリーが上がってしまう原因だ。

もちろん、定期点検や日々の点検を行っていれば、突然のバッテリートラブルを避けることはできる。しかし、万が一バッテリーが上がってしまったら、読者の皆さんは適切に対処できるだろうか?

バッテリー上がりの対処方法は、JAFをはじめとしたロードサービスを依頼するか、その場で他のクルマに助けてもらうというのが一般的。JAFに加入している方や、自動車保険に付帯するロードサービスを利用できる方は問題ないが、何も加入していないという場合、バッテリー上がりの救援にはそれなりの費用が掛かる。

そこで、ほかのクルマから電気を分けてもらう“ジャンピング”を行うことになるが、さまざまなサービスやクルマの性能が上がったこともあり、最近ではこの“ジャンピング”のやり方を知らないユーザーも少なくないらしい。

筆者がクルマに乗り始めた頃は、いわゆる走り屋系の仲間が多かったこともあり、牽引ロープと、ジャンピングに必要な“ブースターケーブル”は、必ず積んでおく必需品だった。

ジャンピングの手順

ジャンピングのやり方だが、やってはいけないことを分かっていれば、それほど難しい作業ではないし、特段危険ということではないため、ジャンピングの方法を知っておいて損はない。

まず、知っておいてもらいたいのが、クルマのボディを含む金属部分がアース(マイナス)になっているということ。つまり、何かの拍子でプラス端子を金属部分に接触させるとショートしてしまうため、一般的に赤いカバーがされているプラス端子の扱いにさえ注意していれば問題ない。

ジャンピングの手順1:プラス同士をつなぐ

バッテリー上がり

最初に行うことは、バッテリーが上がってしまったクルマと、救援側のクルマのプラス端子同士を、赤いケーブルを使用してつなぐが、その際、救援側のクルマの金属部に、ケーブルのクリップ部分が接触しないように注意。

ジャンピングの手順2:マイナス同士を繋ぐ

バッテリー上がり

プラス端子同士を繋いだら、次にマイナス端子(一般的に黒いカバーがされている方)をつなぐ。マイナス端子は、ボディの金属部分に接触させてしまってもショートする危険はないが、プラス端子には絶対に接触しないよう注意。

ジャンピングの手順3:エンジンスタート

スバル アウトバック エンジンスタータースイッチ

両方の端子をつないだら、あとはエンジンをかけるだけとなるが、バッテリーが古い場合や、電圧が著しく低い場合は、救援側のエンジンをかけたまま数分放置すると掛かりやすくなる。そして、無事エンジンが始動したら、マイナス端子→プラス端子の順で取り外す。

バッテリー上がりを起こしてしまったら早めの点検を

通常のバッテリー上がりであれば、上記の方法でエンジンを始動することができ、そのまま数時間アイドリングするか、そのまましばらくドライブを行えば問題ない。ただし、ハイブリッド車や電気自動車など、ジャンピングできない車種もあるため、予め確認しておくと安心だ。

また、バッテリー自体が古い(3年以上経過している)場合や、オルタネーター(発電機)に異常がある場合は、またすぐにバッテリー上がりを起こす場合がある。そのため、1度バッテリー上がりを起こしてしまったら、近くの整備工場で早めに点検を受けることをオススメする。

[筆者:増田 真吾]

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