F1第16戦ロシアGP予選トップ10ドライバーコメント(2)

 2019年F1第16戦ロシアGP予選で5番手~ポールポジションに入ったドライバーたちが予選日を振り返った。

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■メルセデス-AMG・ペトロナス・モータースポーツバルテリ・ボッタス 予選=5番手

2019年F1第16戦ロシアGP バルテリ・ボッタス(メルセデス)

 難しい予選だった。最終セクターに苦労していたんだ。特にターン13が難しくて、予選中のほぼすべてのラップで、コーナー半ばでリヤが振られるような状態だった。そのせいでリヤタイヤがオーバーヒートしてしまい、セクター3の残りがすごく難しくなってしまった。この問題を抱えながらうまく走る方法を探ったが、どうにもならなかった。
 Q3での2回目のランではスナップがかなりひどくて、コンマ数秒を失った。そのため、最後のアタックを断念したんだ。

 フェラーリはストレートでは僕らよりもだいぶ速い。でも昨日のプラクティスでは僕らのレースペースはまずまずだったし、周囲とは異なるタイヤでスタートする。それがチャンスを生み出してくれるといいね。まだ可能性はあるよ。

■アストンマーティン・レッドブル・レーシングマックス・フェルスタッペン 予選=4番手

2019年F1第16戦ロシアGP マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)

 ここはパワーが大きく影響するサーキットだから、難しい予選になることは分かっていた。それでもいいラップを走れたと思う。可能な限り最大のタイムを引き出した。
 風が強くなり、最終セクターでその影響を受けたようだ。通常は僕らにとって一番得意なセクターなのに、マシンのポテンシャルをフルに生かすことができなかった。

 昨日はポジティブな見通しを持ったけれど、あの時点でフェラーリはエンジンが持つパワーを目いっぱい使ってはおらず、予選になって初めて真の力を見せつけた。

 このサーキットのコーナーはほとんどが90度コーナーでとても短いから、コーナーで大幅にタイムをゲインすることはできないんだ。それでもメルセデスの1台(バルテリ・ボッタス)に勝って4番手を獲得できたのはとてもよかったと思う。

 ペナルティで9番グリッドにつく予定なので、クリーンなスタートを切って、慎重に切り抜けたい。周りのドライバーたちもスタート直後は慎重に行動してくれるといいけどね。

 現実的な目標は5位だと思っている。でももちろんもっと上でフィニッシュできるようトライしていくよ。メルセデスは戦略が違うから(注:ミディアムタイヤでスタート)、どういう展開になるのか興味深い。

(自身の公式サイトに語り)ストレートで失うタイムが大きすぎたし、その上、最終セクターでも最速ではなかった。フェラーリは金曜にはエンジンの出力をあまり上げていなくて、その時点では僕らはストレートで彼らと同等のスピードを出していたが、今日は1秒以上負けていた。これについてはどうすることもできない。僕らに可能な最大の仕事は、メルセデス2台の間に割って入ることだった。

 決勝ではうまくやれば、(ボッタスを抜くか、その後ろまで来て)4位か5位まで上がれるだろう。フェラーリは速すぎるし、ルイスはグリッド前方から違う戦略で走るから、彼に挑戦できるとは思っていない。

■スクーデリア・フェラーリセバスチャン・ベッテル 予選=3番手

2019年F1第16戦ロシアGP土曜 ルイス・ハミルトン(メルセデス)とセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)

 全体的にマシンにはそれなりに満足しているけれど、完全に満足だというわけではない。
 Q1は最初のアタックでミスがあり、その後、ふたつのイエローフラッグで速度を落とさなければならなかった。そういったことがあって、特に予選終盤、マシンから最大限の力を引き出すことが不可欠なタイミングで、スムーズにリズムに乗ることが難しくなってしまった。

 とはいえレースは明日だし、自信もある。良いスタートを切ってから残りのことを考えよう。僕らは路面がきれいな側からソフトタイヤでスタートする。一方でメルセデスはミディアムを選んだから、タイヤ戦略の違いが戦いを面白くするだろう。

 スタートタイヤの選択は正しかったと思っている。僕らにはストレートでのアドバンテージがあるし、トウ(スリップストリーム)が重要な役割を果たすかもしれないよ。

■メルセデス-AMG・ペトロナス・モータースポーツルイス・ハミルトン 予選=2番手

2019年F1第16戦ロシアGP シャルル・ルクレール(フェラーリ)、ルイス・ハミルトン(メルセデス)

 いまのところ、とてもポジティブな週末になっているように感じるし、総合的に見て、自分たちの仕事には満足している。これまで同様、夜遅くまで懸命に仕事にあたり、それが実を結んだ。最終的な目標は、100パーセントの状態に限りなく近づくことであり、今日はマシンのポテンシャルをほとんどすべて引き出せたと思う。
 ソチではいつも苦労しているのだが、今日は1周走るごとによくなっていき、大きなミスもなかった。特に最後のアタックラップはとてもよかったと思う。

 フェラーリにはストレートで驚くほどのスピードがあるから、2台の間に割って入れたことは僕らにとって良いシナリオだ。2台を引き離したことをうまく活用し、有利に事を進めたい。

 ターン1までは距離が長いので、ハード側のタイヤでスタートするのに最適な状況とは言い切れないが、何かを試してみる必要がある。(フェラーリと)戦略が分かれたのはいいことだ。

 このポジションを確保するために、チームは本当に良い仕事をしてくれた。明日のバトルを楽しみにしている。

(予選後のトップ3インタビューで語り)フェラーリはストレートでとんでもないスピードを発揮している。ひとつ上のレベルだ。これまで僕らメルセデスにはパーティーモードがあると言われてきたが、彼らにはそれを超えたものがある。そうだね、ジェットモードとでも言っておこうか。今日はフロントロウが獲れるとは思っていなかったから、ものすごくうれしい。

■スクーデリア・フェラーリシャルル・ルクレール 予選=1番手

2019年F1第16戦ロシアGP シャルル・ルクレール(フェラーリ)

 マシンは驚くほどいい感触だった。チームは路面の変化をうまく予測し、最適なセッティングをした。素晴らしい仕事をしてくれたと思う。
 自分たちのことに集中し続け、その仕事が少しずつ報われてきているようだ。僕自身は、欠点に目を向けて、できる限り学び、改善しようとしている。

 Q3でのアタックラップは、ターン16と17でリヤのコントロールを少し失ったけれど、それを除けばとてもうまくいった。これほどの結果を出して一日を終えられることをうれしく思っているが、すでに気持ちをレースに集中させている。

 FP2でのレースペースは良かったので、これは良い兆候だ。ライバル(メルセデス)とは異なるタイヤでレースをスタートするけれど、デグラデーションの点では、ソフトとミディアムの間に大きな違いはないと思う。

 ターン2までは距離があるから、スタートで全員を後ろに抑えるのは簡単なことではないが、それを成功させることがとても重要だ。自分の力をすべて出し切るつもりだよ。

(formula1.comに語り)もちろんうれしいけど、このコースはポールからスタートするのか圧倒的に有利とはいいきれない。スタート直後のストレートが長いから、いつも以上に(後続に抜かれないよう)いいスタートを決めることが大事になってくる。

(シューマッハー以来の記録を達成したことについて聞かれ)もちろん特別な気持ちになる。でも今はそういう統計のことは考えたくない。目の前の仕事に集中したいんだ。決勝に向けてやるべきことがまだ山ほどあるからね。

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