1万3000人が非常時対応を確認 入善などで県総合防災訓練

土砂に埋もれた車を掘り起こす訓練を行う自衛隊員=入善町総合体育館周辺駐車場

■地震・豪雨を想定

 大規模地震や集中豪雨を想定した県総合防災訓練が29日、入善町や黒部市、朝日町など計9会場で行われた。住民や行政、警察、消防、自衛隊など約130機関の1万3千人が参加し、地域総ぐるみで情報収集や応急救護など非常時への対応を確認した。

 魚津断層を震源とするマグニチュード7.3の地震が発生し、黒部市、入善町で震度7、朝日町で6強を観測。県東部で広域的な豪雨もあり、土砂災害や家屋倒壊で多数の負傷者が出ているとの想定で行った。

 メイン会場の入善町総合体育館周辺では、地震により倒壊したブロック塀や家、閉じ込められた車両からの救出訓練を実施。行政による臨時災害放送局を開局し、災害広報訓練を行った。石井隆一知事や笹島春人入善町長らが視察した。

 朝日町の宮崎漁港では、今年初めて小型無人機「ドローン」の空撮映像を活用した情報収集や伝送の手法を確認。海上自衛隊と消防が連携したDMAT(災害派遣医療チーム)による海上輸送訓練もあった。

 避難行動についても確認した。黒部市の宇奈月中学校周辺では、5段階の警戒レベルを用いた避難訓練を実施。支援物資を各避難所までスムーズに輸送する訓練も行った。

 訓練に参加した入善町笹原の会社員、竹島潔さん(55)は「富山は災害が少ないと言われるが、今後の備えについて考えるきっかけになった」と話していた。

車から負傷者を救出する訓練を行う消防隊員ら
視察に訪れた石井知事(中央)ら

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