【2019年秋冬】登山&街で着倒すならこれ!「ダウンジャケット」8モデル厳選レビュー 山はそろそろ紅葉の時期。最低気温は8℃を下回り、あっという間には秋は深まるので、インサレーションジャケットの暖かさが頼りになる季節です。そこでODブランドの新作ダウンジャケットを中心に、いち早く紹介したいと思います。山で活躍する軽量モデルと、街で着こなしたいヘビーデューティモデルの8アイテムのレビューです!

暖かさだけじゃない。動物に優しい素材の新時代ダウンが増えた!

今回紹介するダウンジャケットは、今年の新作を中心に、登山用の軽量モデルが4アイテム、街用のヘビーデューティモデルが4アイテムです。いずれも高品質で保温性の高いダウンを採用しています。

また注目すべきは、近年は高品質さに加えて、使われているダウン=羽毛が、動物福祉に適った環境で採取されたものかどうかを重要視するブランドが増えてきていることです。

生きた鳥からの羽毛採取や強制的な餌付けを行なっていない、追跡可能な工程で作られたダウンであることを第三者機関が認証する、RDS認証やトレーサブル・ダウン基準を満たしたダウンの採用です。自然環境への配慮同様、動物福祉に適った行動を支援するために、これからもダウンを着用するユーザーとして、積極的にチョイスすべきものです。

またスタイルとしては、インナーダウンと呼ばれる極薄軽量ダウンジャケットが長く主流でしたが、今年はアウターやミッドレイヤーとして着られるダウンジャケットが充実しています

登山用はアウターといえども軽量コンパクトになる薄手のシェル素材を採用。撥水加工によって濡れによる保温力低下を抑制しているのはインナーダウン同様。さらに動きに対応したストレッチ素材をシェルに使用したものも出てきています。

街用はレトロなデザインが多めです。しかしシェルにはしっかり撥水加工が施され、悪天候であっても保温性が損なわれない仕様なのは、アウトドアブランドならではです。

まずは「登山用のダウンジャケット」から紹介していきましょう!

【マウンテンハードウェア】

ストレッチ素材のシェルに、縫い目をなくした画期的ダウン!

商品スペック
スーパーDSストレッチダウンフーデッドジャケット 41,000円重量:478g(M)中綿:700FPのRDS認証ダウン
昨冬、同ブランド直営店のみで販売されたストレッチ素材のシェルを縫わずに織り合わせることで、ダウンを封入する袋構造を実現した縫い目のないジャケットです。

これによりシェルのストレッチ性はそのまま、ダウンが偏ることでできるコールドスポットを減らし、保温力低下を抑制。ダウンジャケットの宿命だった縫い目からのダウン抜けも抑えられ、多くのユーザーが待ち望んだものが遂に具現化されました。

ストレッチ素材、そしてフードを装備しているので、休憩時の防寒着というより、秋冬の行動着として使うのがよいでしょう。だからこそ、身体によくフィットする細身のシルエットが採用されています。着心地も重量478gを感じさせない軽やかさ。ストレッチ素材なので、動きやすさも格別! ポケットも豊富で、特にチェストポケットには音楽機器やヘッドライトのバッテリーを収納して、内側からコードを出して使用できる穴も備わり、細かいところまでこだわりを感じます。
今年ダウンジャケットの新調を考えているなら、候補の一番手は間違いなくコレです

【ホグロフス】

包み込まれるロフト感と環境に配慮した確かな作り

商品スペック
アグルー ダウン フード(メンズ) 39,000円重量:545g(M)ダウン:700FPのトレーサブルダウン
パッと見は、定番的な中厚ロフトのダウンジャケットです。けれども、過フッ素化合物フリーの耐久撥水加工された表地、100%リサイクルポリエステルの採用、そして動物福祉が保証されたトレーサブルダウンを使用等々、アウトドアブランドが配慮すべきモノ作りを、きっちりと実行したできているアイテムです。そうした高い志は、さすがアウトドア先進国、北欧ブランドといえます。

着用してみると、アジアンフィットを採用しているのでサイズ感も申し分なし。なによりふんわりと包まれる保温性の高さは格別で、フィット感がよいので動きやすさも確保されています。

フードは3ウェイの調節が可能。バックパックを背負おうとダウンが潰れて保温性を失いやすい肩まわりには、合成素材で保温力を強化。感謝したくなる配慮です。袖口はパイピングのみとシンプルですが、主に縦走登山の保温着で使うなら問題ないもの。過不足のない機能性で、安心感のある着心地が特長です。

【ティートン ブロス】

ダウンと化繊をミックスした極寒対応のアウタージャケット

商品スペック
ハイブリッドダウンフーディー 53,000円重量:720g(M)中綿:1000FPダウン+サーモマックス
昨年のアウトドアリテーラーショーで「Gear Patrol」の選出するBest In The Show Awardを受賞したモデルの新色。
重量720gと無雪期の縦走に装備するにはちょっとキビしい重さ、収納サイズです。けれども主にアイスクライミングや積雪期の登山に使用するならば、高い防寒性も含めて十分に機能的なスペックです。とはいえハードなシチュエーションばかりではなく、寒さが苦手なハイカーは、真冬の低山ハイクやスノーシューの休憩時に着用するアイテムとして装備すれば、いつでも小春日和のような暖かさを得られるでしょう。

中綿には、最高品質の1000FPの撥水ダウン遠赤外線効果のある化繊「サーモマックス」をミックスしたものを封入。保温性の高さはもちろん、濡れに弱いダウンの特性を補ってくれるものです。

頭から顔まわりをすっぽり包み首元が立ち上がるフードを装備し、内側に中綿入りの襟も備わっているので防風防寒性は完璧。独特の形状の袖口は寒気の侵入を防ぎ、グローブの着脱も容易。内ポケットはメッシュ仕様で、バッテリーやスマホ等、寒さに弱いアイテムを十分に収納しておける大きさ。
積雪期の山のアクティビティーに取り組む方は、試してみる価値大のジャケットです。

【ザ・ノース・フェイス】

インナーダウンの定番春~秋の山で着るならコレ!

商品スペック
ライトヒートジャケット(メンズ) 23,000円重量:200g(L)中綿:CLEANDOWN光電子PRO
軽くて、嵩張らず、春、夏、秋の山にいつでも携帯、寒さを感じたらサッと羽織ってすぐにヌクもりに包まれる、防寒着の定番的存在といえます。中綿には高品質のダウンに遠赤外線効果のある光電子をミックスし、薄手ながら予想以上の保温性を発揮してくれます。もちろんインナーダウンとして、ウィンドシェルやレインジャケットととのレイヤリングも問題ありません。

軽さと強度を併せ持つエコ素材「パーテックス・カンタム エコ」を表地に使用。静電気ケア設計を採用し、変にまとわりつく感じもなし。またポケットに本体を収納できるポケッタブル仕様で、収納するとブランドロゴが現われ、単にポケットを裏返して収納しました・・・という残念さは皆無。こういう作りのよさは、道具好きの男性には評価が高いでしょう。低山ハイクなら真冬でもレイヤリング次第で必要十分な保温性を装備でき、一年中使えるアイテムです。

続いては、「街用ダウンジャケット」4アイテムです!

【アンドワンダー】

街っぽさの中にある、山らしい細部が楽しい

商品スペック
タフダウンジャケット 85,000円重量:約1,170g中綿:700FPホワイトダックダウン
元々はコレクションブランドに携わっていたデザイナーが手掛けているアウトドアブランド。それだけにフラップポケットやメタルボタンをデザインの中に、リフレター機能を装備したステッチ、肩や肘は強度を出すためのさりげない2トーンプリント、ウエスト内側のフィット調節できるドローコード等、随所に施されたディテールにモード感を融合。感心したのはサイズ感の絶妙さ。ダウンジャケットにありがちなモコモコなウエアを着ています・・・という野暮ったさが皆無です!

またフードはボタン留めで着脱可能。よりスッキリした印象で着たいなら、襟を立てる着こなしもよさそうです。袖口は内側にリブ仕様の袖が備わり、冷気の侵入を防ぐだけでなく、着心地のよさをアップ。
シェルは「パーテックスアンリミテッド」を用い、街に似合うコットン的な素材感のある風合いで、防風性や撥水性も装備。登山やアウトドアの趣味を持つ大人のハイブリッドダウンとして最適です。

【パタゴニア】

リサイクルダウン100%使用。ヘビーデューティな一着!

商品スペック
メンズ・ビビー・ダウン・ジャケット 31,000円重量:859g中綿:600FPリサイクルダウン
昔懐かしいヘビーデューティな空気感があるダウンジャケット。キルトパターンを施した丈夫でしなやかなナイロン・キャンバス製シェルは、コットン素材のような見た目と肌触りが特長。とはいえ濡れを防ぐ撥水加工はもちろん、耐摩耗性も申し分なし。ただサイズはちょっと大きめなのか、袖がややダブつく感じ。しっかり試着をした方がよさそうですが、WEB限定商品とのこと。

前立ては風の侵入を防ぐフラップを内側に装備。ジッパーが顎や首に当たらないガレージも採用。フロントポケットはスナップボタン留め。起毛ポリエステル裏地が備わり、ハンドウォーマーとして◎。

また本体裏地には滑りのよいリサイクル・ポリエステル・タフタが貼られ、フリースやセーターと重ね着してもスムーズな着心地。写真だとわかりにくいけれど、肩と身頃の2トーン仕様がアウトドアな雰囲気です。

パタゴニア|メンズ・ビビー・ダウン・ジャケット

【コロンビア】

60/40クロスの表地を使った、クラシックなダウンを復刻

商品スペック
シダーヒルズダウンジャケット 29,000円重量:1,047g中綿:650FPダウン
コレぞ、まさにヘビーデューティなダウンジャケット! ナイロン40%、コットン60%を混紡した、いわゆる「ロクヨンクロス」を表地に使用。耐水性と耐久性を併せ持った旧き良き時代の素材は、長く着るほどに味わいを増すものとして、70年代、80年代に人気を博したもの。

スタイルも当時のまま。フロントジッパーをスナップボタン付きのフラップで覆い、風雨の侵入を抑制。フロントポケットは上部がフラップ、サイドがオープンの2通りのアクセスが可能。

フードはスナップボタンで着脱でき、ウエストはドローコードでフィット感の調節もできます。裏地の淡いブルーをポイントにして、自分なりにアレンジした今風のヘビーデューティな着こなしを楽しみたいアイテムです。

【ナンガ】

高い防水性で雨にも強い。寝袋的防寒着で寒さ知らず

商品スペック
オーロラダウンジャケット 40,500円重量:約650g中綿:760FPスパニッシュダックダウン
<ナンガ>は日本が誇るダウン製品のトップブランド。他社の街用ダウンジャケットの撥水シェルとは異なり、「オーロラテックス」と呼ぶ防水透湿素材をシェルに採用。雨に弱いダウンを濡れから守り、かつ蒸れも防いで、高品質なダウンの性能を発揮させるもの。シンプルなデザインで街にも似合い、しかし機能は山にも対応する、Made in JAPANらしいダウンジャケットといえます。

ちなみオーロラテックスは、登山用ダウンに使われる極薄軽量素材よりしっかりとした厚みの40デニール。同社の寝袋に使われている素材で、ダウンの封入量こそ違うけれど、着る寝袋的なジャケットともいえます。だから保温力も高い!

細部を見れば、フードにはフィット感を調節する鉢巻状のコードを備え、前立てやポケットの大きな開口部には止水ジッパーを採用。アパレルショップも別注する昨今話題のダウンジャケットで、今年も新色を用意して10月20日から販売開始。早々に売り切れ必至の人気アイテムなので、早めに手に入れることをオススメします!

山も街も防寒着といえば、着心地軽いダウンです!

ダウンジャケットの特長は、なんといっても軽さです。最近では化繊の中綿素材の性能が上がり、ダウン同等の軽さ、コンパクトさを誇るものがあります。でも今回、重量だけでは単純に比較できない、ふんわりとした着心地の軽やかさを再認識しました。シリアスなクライミングシーンでは化繊中綿が機能的に優位かもしれませんが、それ以外のシーン、シチュエーション、スタイルを楽しみたいなら、着心地軽やかなダウンジャケットを選びたいと感じました!

それでは皆さん、よい山旅を!

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