後発薬販売で提携 日医工が中国市場でエーザイと

 日医工は30日、エーザイと中国市場でのジェネリック医薬品(後発薬)の販売で提携すると発表した。日医工の後発薬をエーザイの中国子会社が2024年度から販売する見通し。戦略的な提携を結ぶ両社は、協業の枠組みを日本国内から海外に広げ、世界第2位の規模である中国市場の成長を取り込む。 (経済部・池亀慶輔)

 両社は現地市場でニーズが見込める品目を選定し、日医工が輸入販売承認を取得する。日医工が日本国内で製造した高品質な後発薬の販売をエーザイの中国子会社が担う。本年度は手始めに2品目を選び、その後は毎年1~2品目ずつ輸出に向けて準備する。

 中国市場への参入を目指している日医工は、15年から現地で後発薬事業を展開するエーザイと協力して販売のスピードアップと効率化につなげる考え。エーザイは日医工製品を扱うことでラインアップを拡充し、事業を強化できるメリットがある。

 両社によると、中国の医薬品市場は米国に次ぐ規模で、後発薬が金額ベースで7割以上のシェアがある。中国政府は急速な高齢化などを背景に、先発品と同等の高品質な後発薬の安定供給体制の構築に力を入れており、さらなる市場の成長が予測されている。

 日医工は今年4月からの第8次中期経営計画で領域拡大や海外展開の加速を目標に掲げる。両社は18年3月に後発薬事業で戦略提携を結んだ。

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