気象庁は1日、9月の天候のまとめを発表した。暖かい空気が入りやすかったことや、北・東日本を中心に晴れた日が多かったため、気温は北・東・西日本でかなり高かった。岐阜、名古屋、甲府、奈良など14地点で、月間平均気温の高い方からの1位の値を更新した。
降水量は、北日本太平洋側と東日本日本海側でかなり少なかった。また、複数の台風の影響に受けたため、各地で大荒れとなった日があった。特に、8日から9日にかけては、台風第15号の影響により、東日本の太平洋側を中心に記録的な暴風となり、千葉県などで甚大な災害が発生した。
上旬 台風13、15号
北・東・西日本では、高気圧に覆われて晴れた日が多かった。南から暖かい空気が入りやすかったことから気温が高く、特に6日から10日にかけては真夏日や猛暑日を観測した所が多く、厳しい残暑となった。5日には台風13号が宮古島付近を通過し、鏡原（宮古空港）で東北東の風 61.2メートル と最大瞬間風速の記録を更新するなどの暴風により災害が発生した。さらに、8日から9日にかけては台風15号が伊豆諸島付近を北上し、強い勢力のまま9日に関東地方に上陸した影響で、東日本太平洋側を中心に大雨や大荒れとなった所があった。千葉県千葉で南東の風57.5メートル など、19地点（統計期間10年目以上の観測所）で最大瞬間風速の記録を更新し、千葉県など広い範囲で停電が発生した。
中旬 北日本一時的気温下がる
北・東・西日本では、高気圧と低気圧が日本付近を交互に通過し、天気は数日の周期で変わった。また、高気圧や暖かい空気に覆われやすかったため、西日本を中心に晴れた日や気温の高い日が多かったが、北日本を中心に低気圧の通過後には寒気の影響を受けた所もあった。
下旬 台風17号 宮崎で竜巻
天気は数日の周期で変わったが、台17号が20日から21日にかけて沖縄地方を、22日には対馬海峡を通過し、23日に日本海で温帯低気圧に変わった。その後、24日にかけて北海道付近を発達しながら通過した。この影響で、22日には長崎県美津島で 289.0ミリと日降水量の記録を更新したほか、宮崎県延岡市で竜巻が発生するなど、北・西日本と沖縄・奄美を中心に大雨や大荒れとなった所があった。また、30日には台風18号が先島諸島に接近し、大荒れとなった。
月平均気温高い方から1位を更新した主な地点
名古屋 26.7℃（平年差+2.6℃）
岐阜 26.7℃（平年差+2.6℃）
静岡 26.3℃（平年差+2.2℃）
奈良 25.6℃（平年差+2.7℃）など計14地点
月降水量多い方から1位を更新した地点
福江（長崎） 702.5ミリ（平年比247％）
月間日照時間多い方から1位を更新した地点
浦河（北海道） 227.6時間（平年比143％）
石廊崎（静岡） 232.7時間（平年比136％）
月間日照時間少ない方から1位を更新した地点
宮古島 114.4時間（平年比62％）
この先の天候
最新の1か月予報によると、全国的に暖かい空気に覆われやすく、向こう1か月の気温は高い見込み。また、向こう1か月の降水量と日照時間は、全国的にほぼ平年並の見込み。
