「消費税対応余裕ない」 竜巻被害の延岡小売店

竜巻被害の片付けと消費税率変更への対応に追われた延岡市のスーパー=1日午後

 台風17号に伴う竜巻と直後の大雨被害に遭った延岡市の小売店などは、十分な準備もできないまま1日の消費税率引き上げを迎えた。「税金のことまで考える余裕はない」「間が悪すぎる」と窮状を訴えた。
 同市日の出町1丁目のスーパー「日の出センター」は、竜巻で割れた窓ガラスの片付けなどに追われ、税率引き上げに伴い価格変更した商品の値札が準備できなかった。従業員は「目の前の片付けに必死で、消費税への対応どころじゃなかった」という。
 同所の精肉店「正木屋」はレジ更新などで忙しく、雨漏り修理まで手が回らない。豊住幸子代表(70)は「被害の甚大な事業所を思うと文句はいえない」と話した。
 延岡商工会議所中小企業相談所によると、相次ぐ被災で税率引き上げへの対応が中断している事業所が複数ある。そのため「新しいレジ購入やキャッシュレス決済導入などで、引き続き支援したい」としている。

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