日韓の若者 漂着ごみ回収 対馬・井口浜 海岸環境美化で交流

海岸に漂着したごみを拾う日韓の参加者=対馬市上県町、井口浜海岸(一般社団法人「対馬CAPPA」提供)

 日韓関係の悪化で長崎県対馬市を訪れる韓国人観光客が減少している中、韓国の大学生と対馬市民が漂着ごみを拾う「日韓市民ビーチクリーンアップ」が9月29日、同市上県町の井口浜海岸であった。釜山外国語大生約60人を含む計326人が、力を合わせて海の環境美化に取り組んだ。
 主催した市によると、対馬は韓国から最短で約50キロと近く、国内外のごみが推計で年間約2万立方メートル漂着している。ビーチクリーンアップは、日韓でごみ対策に取り組み、交流を図ろうと2003年から実施している。
 海岸にはペットボトルや漁網、流木などが大量に散乱。釜山外国語大の学生らは、県立対馬高生らと協力してごみを集め、3時間で計206立方メートル分を回収した。
 同大4年の崔範宇(チェボムウ)さん(23)は「韓国も日本も同じ海を使っている。世界中に発信し、環境に関心を持ってもらえるようになったらいい」とコメント。対馬高2年の佐藤真由さん(16)は「ごみの量が思っていたより多かった。日本のごみもあるので、分別を呼び掛けていきたい」と話した。

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